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日中両国関係は、2006年10月8日の安倍総理訪中で首脳会談が再開し、今年4月には温家宝首相の訪日など、様々な交流が動きだしました。こうしたアジア外交面での急展開は、2006年8月に東京で開催された「第2回東京―北京フォーラム」の舞台でつくられたものです。民間の議論の舞台で外交が動く。それは、私たちが2005年に北京で立ち上げた「第1回北京―東京フォーラム」のミッションそのものでした。
私たちは、表面的な友好を取り繕うのではなく、本音で議論し合える関係と舞台を民間主導で日中間につくりたいと考えました。この提案に、中国4大メディアの1つであるチャイナデイリーや北京大学の賛同を得て、2005年8月に3者提携の「北京―東京フォーラム」が立ち上がったのです。
このフォーラムは今後10年間にわたり北京と東京の交互に行うこと、さらに両国民の認識のギャップ改善のために、両国の世論調査を毎年実施することが決まりました。今後はこの舞台をさらにアジアに広げ、アジアの課題に関する議論を世界にも発信したいと私たちは考えています。
※フォーラム名は、開催国側を先に書くことになっております。
■日中両国間に本音で議論ができる民間の新しい議論チャネルをつくります。
■相互理解やコミュニケーションのギャップの解消に取り組みます。
■日中やアジアの共通課題を解決するため政府間協議を補完する民間トラック2(公共外交)の役割を果たします。
■将来的にこのフォーラムの議論をアジアや世界に発信できる舞台に発展させる。
■主催は言論NPO、中国日報社、北京大学国際関係学院
■北京と東京を舞台に毎年交互に10年間は継続的に行う
■議論に両国の民意を反映させるために、日中共同の世論調査を毎年実施します。
■相互平等の原則で費用は両団体が折半して賄います。
これまで2回の「東京-北京フォーラム」で達成したこと
■両国の政府関係者も参加し、アジアの議論を本音で話し合うトラック2(公共外交)が実現した
■特定の企業や団体の利害や威信に捉われるのではなく、アジアの将来や課題の解決を目指す民間非営利の舞台に両国を代表する有識者が個人の資格で参加する大規模な議論のネットワークが形成された
■議論は公開されかつ両国にだけでなく世界に発信されることで発信力、影響力がある議論の舞台が実現した
第1回、第2回とも日中両国から200人を超す主要な有識者、メディア関係者が参加し、議論に加わりました。その議論内容は、両国のメディアにより日本や中国だけではなく世界に報道されました。
05年の第1回北京大会は、英語版インターネットで世界に中継されただけではなく、中国の80を超すメディアや日本の大部分のメディア、CNNやBBCなど世界のメディアによって、共同世論調査結果や議論の内容の詳細が大規模に取り上げられました。
分科会では、環境、エネルギー問題や安全保障問題、歴史問題など両国の課題を取り上げたほか、直前に実施している両国民の世論調査に基づいて、両国民間の認識や理解のギャップを埋めるための議論を展開できました。これには両国のメディア関係者が参加しています。
第1回の北京大会は反日デモが広がる中で準備し、日中両国にとっては特別の日となる8月に立ち上げました。その間も両国の政府レベルの緊張感は深まりましたが、06年の8月に東京で開催された第2回の東京大会では、翌月の自民党総裁選で次期総裁が確実視されていた安倍官房長官が参加、安倍氏の発言を契機に日中両国関係改善、首脳会談再開の扉を開く歴史的な役割を果たしました。
言論NPOは2001年に設立、2005年6月1日から34番目の認定NPO法人として認定を受けています。(継続中) また言論NPOの活動が「非政治性・非宗教性」を満たすものであることを示すため、米国IRS(内国歳入庁)作成のガイドラインに基づいて作成した「ネガティブチェックリスト」による客観的評価を行なっています。評価結果の詳細はこちらから。