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韓:両国間での連携は国家レベルでは政治的に難しいが地方レベルであれば連携がとりやすく可能だと思います。日本は観光事業が盛んで国際的にもかなり進んでいます。浙江省と日本は地域レベルで経済協力を行なう事は良い事だと思います。その中でも天津市は日本と近く、近年急速なスピードで発展しています。
増田:この対話では中国と日本のパネラーに交互に発言して頂きます。アジェンダとして「2国間交流をしていくにはどういうアイディアが必要だと思いますか?」まずは山田知事からお願いいたします。
山田:全国知事会長としてその目線から発言させていただきます。現在、両国間の関係が良くない。世論調査を含めてその問題が見えてきた。午前はそれを踏まえていました。私はそれは東京目線だと思います。これは地方からみると違う。10年間では地域交流は発展してきました。震災で去年は停滞しましたが、10年前と比べると3.6倍アップ。その観光客はどこに行ったのか?ほとんどは関東/関西/中部。中国東北は0.8%。しかし、今の構成比は九州10%、3.6倍人が増えました。中国地方も7〜8倍、東北も同等です。地域間の交流が伸びています。観光だけでなく、地方公共団体が中国にオフィスを置きます。全部で22個。現在66個。10年で約3倍。しかし、政府間では伸びていない。一方、地方の公務員はどんどん中国へ出ています。京都府だけでも変わっている。海外に出ていく工場を支援していました。今は市場をどうやって中国に移せるかのサポートです。京都府も中国にオフィスを置き、物を売り込む。京都伊勢丹に中国物産展。中国にも京都を置いています。今までは日系。今は中国人。これからの市場を意識します。留学生や産業も同じです。地域間交流では停滞していないです。今後活性化するのは地方間です。観光や市場は協力しないで地域がバラバラに行なうと引っ張り合いになるので協力し統一性が必要です。そのためにはシステム化していく事が課題です。
今年、知事と中国の省長会議が日本でありました。フォーラム形式です。今までは名目上でありそれぞれ相手の場所を訪れるだけ。今年からはフォーラムをシステム的、継続的にやります。
袁岳:ありがとうございます。では、後ほど質問させていただきます。日本の知事は選挙や政治的に配慮をする必要がある中質問させていただきます。
任:貴重な意見をお聞きできました。現代の地域や若者との交流は中日において重要です。地方政府はどうやってこれを押し進めるべきか?それを話し合っていきたい。この数年地方政府は中日交流の大局を重要視してきました。ときどき政治的に難しくても大局が大事です。時期も難しい時がある。これが今までで大切な事です。地方の協力は大事です。例は政府間交流の期間などを設けることがポイント。また文化の交流を結びづけが基礎となります。
さらに若者の交流を支援していくべきです。若者でない人が推進してきたがこれからは若者が軸になっていく必要があります。
これまで技術の面では提供がありましたが日本のサービスでも学ぶ事が多い。だからこの部分も学んでいく。そして中国に持ち込む。サービス業の交流も求められます。
増田:若者の交流に軸足をということですが。具体的にはどのようにしていくべきなのでしょうか?これを今後議論していくべきですね。
溝口:私は今回4回目。地方対話は2回目です。島根は日本の中でも発展が遅れています。人口もワースト2位の少なさ。経済交流も低いレベル。貿易は中国への3位200億越え。輸出。730億40%輸入。中国に関心がある40%。外国人が増えてきた。年間2千人。しかしまだ低い。これをどう増やすか。これが県の課題です。民間レベルでの交流は低い。そこで公的にビジネスや観光を推進していく必要があります。島根では北京の民族学者が島根大に来ています。他にも県と自治区が友好締結し訪問団を相互に派遣しています。他にも文化交流がありますし、留学生、技術研究員の受け入れもあります。こういうのを通じて交流しています。草の根の交流です。まだビジネスは無理です。でもこれも大事。行政が開催するからスムーズになります。自然に始まった交流を進める事が日中の理解を深めるに友好に資するので、広く長くやること。フレンドシップに基づくことが大事です。
呂:現在島根を訪れる人が少ないという事は今後もっと交流できるという余地があります。中国人は美味しい物があるところには行きます。美食文化を紹介する番組ではその地域は観光ブームが起こります。
任:天津市と日本の交流について。1973年に神戸市と姉妹都市になりパンダも天津動物園から送られました。今では経済では日本企業が2600社、特にトヨタが天津に工場を造って、住んでいる日本人も増えています。去年から天津と日本との交流は3つ目のStageに入りました。それは循環経済の交流です循環経済担当省も設立しました。このように積極的に交流しています。
増田:若者同士の交流は大事ですね。
鈴木:昨年12月北京/天津などを中心に訪問しました。中国は新しい時代に入ってきていました。中曽根氏が顧問となり一般社団法人を設立しました。そして日中恩師プロジェクトとして日本と中国の若者が互いの国で恩師を見つけるプロジェクトを進めています。
中国が教育に本腰を入れています。新しい教育特区などインフラ整備は素晴らしい。背景には中国の18歳は大学など高等教育希望者が900万人。しかし中国国内では600万人しか受け入れられない。残りは海外。これを日本が狙うべきです。大学院レベルで国はやってきましたが、これに一歩踏み込む。中国の高校生の参考になるべきです。他にも日本の大学医学部関係者が中国の病院関係者と交流し、新しい医療制度を作ろうとしていたり、2月には中国の小学生中学生が日本に来て東北を訪れたり、こうした事が各論を積み上げステレオタイプではなくF2Fの関係を構築することが大事です。
メディアなどを使ってそして良い交流を両国民にシェアしていく。現場からの交流の積み上げが大事。これを実感した1年でした。次は幼稚園の教諭の教育を日本が支援していくというのはどうでしょうか?
韓:メディアの役割も重要です。しかし、若者30歳以下はsNSなどのミニブログが多い。ニューメディアを使う事が必要です。
中国と日本とは隣り合わせで世界に影響力があります。両国が共生していけば世界が健康となります。
中国と日本の友好都市は世界最高。広範囲に渡っています。チャーター機も2000機ほどあり観光に来る。震災では日本に対して良い反応をしました。中国人は心配しました。心からの兄弟のよう。新たな情勢の中友好都市の事業をどうやっていくべきかが重要です。マックスウェーバーの言葉から。政治は2つの倫理基準。1:公平 何かをなすには倫理基準。2つ目は責任基準。この理念も持つ人が政治家になるべきです。中日に不利な事は言わない、やらない。
利害関係で生まれた相違点を適切に対応できるように地方政府間交流が進む事を希望します。
袁岳:日本の中小企業と中国の投資家が協力していく話があります。OECDの中でも日本は投資の開放度が高くありません。日本は投資を促進していくつもりはないのでしょうか。
山田:状況は変わっています。大連、広州などでは大企業が最初に進出していきました。
しかし、今は中小企業も多い。問題になるのは法律、雇用などの壁です。これらの環境整備さえできれば問題ないでしょう。
さらに今は逆に中国企業が日本に進出してきています。たとえば京都にはハイアールが進出してきました。このようにウインウインの関係を構築していくことができれば理想的です。この状況の変化をうまく活用して新たな取組みが必要になってきています。たとえば環境協力で中国の地方政府と日本の企業が協力することなどが考えられます。そうした地方レベルでの経済交流から投資を促進し、それが終局的には全体的な関係改善につながっていくと思います。
溝口:島根県は少子高齢化で人口減少下にあります。雇用を増やすために企業誘致する必要がありますがそれは外資でもよいわけです。
増田:観光が経済交流の大きな柱になります。大震災までは中国から日本へ100万人来ていました。しかし、震災で激減。最近は回復してきましたのでこの観光をもっと活用をするべきです。そのためにはビザ緩和が必要になります。この点、震災被災三県でビザ特例が出ました。そのようないろいろな取組みをすべきです。これから観光面での積極的な取組みが必要だけれど日本は何をすべきでしょうか?
呂:浙江省は観光に力を入れてきました。日本各地とのアクセスを整備しました。浙江省は観光地にも恵まれています。日本の観光サービスから多くを学ぶためにも地方交流が必要です。
任:観光パッケージを充実させる必要があります。天津市では観光クルーザーを企画立案し、神戸も回るなどしています。このような観光企画を通じて交流すべきです。やはりビザ申請手続きの簡素が必要ですね。この点については政府が努力すべきですね。観光サービスについては日本に学んでいくことが必要です。
袁岳:中国のサービス業の転換期が来ています。観光業にも変革を起こさなければなりません。
溝口:情報が大切ですが現場レベルではなかなか伝わりません。実務者レベルでの協議はできないのでしょうか。可能であれば日本側も関心のある県を募って中国側と対話すべきです。
袁岳:大学などの研究機関と協力して観光企画を立案すべきです。宣伝を強化するのも有効です。
溝口:これを聞くと中国の観光戦略の方が進んでいます。日本では官が足かせになっています。これをセミ公レベルで交流すると効果的になります。これからはそういう時代です。
韓:過去のイベントを考えると県同士の交流は有効だと思います。友好都市同士で観光協議すべきです。
山田:もう少し実務者レベルで対話したいですね。今の少しの話だけれども不明な点が多い。だからもっと話し合うべきです。
鈴木:そうはいっても日中間の世論が危険は気になります。それを打開するためには若者の交流が重要な一手になります。修学旅行、中国では教育旅行といいますが日本でも教育旅行を誘致したいです。そのためには何か一括して紹介できるような窓口が必要になるでしょう。
袁岳:30何年前の青年大交流ではいろいろな話ができたが今の交流は硬い行事が多いです。
遊びが好きな若者には向かないでしょうね。アニメやファッションなどもっと交流向きなものがあるはずです。若者自身による企画を進めるべきです。たとえば島根でアニメ交流などが挙げられます。年寄りが決めたやり方では若者には影響力がないでしょう。
増田:鈴木先生どうですか?
鈴木:まったその通り。若者の特性をよく分かっているところが企画すべきです。
そこからさまざまな分野での協力につなげていけるでしょう。共によく学びよく遊ぶ。
私も中国とのサッカーの試合で中国に関心を持つようになりました。それが今の中国への関心の原点です。若者に影響力の強い教育で交流を進めれば将来的に花咲くでしょう。
任:政府は若者交流を進めてきたが学校同士の交流は特に重要です。交流の方法をどうすべきか知恵を絞るべきです。理解と友好を深めるには教育機関同士が最適です。
そこからお互いの人間関係が発展していくのです。だから若者交流は重要です。
韓:交流するためには平和と相互理解が必要です。アニメもそのためのひとつのステップになるでしょう。
呂:さまざまな機関がある中で教育以外でも交流できるでしょう。北海道で子ども交流の経験がありますが僅かな時間だけでも子供たちは仲良くなった。世論調査では2,3人相手国に知り合いがいるだけで相手国に好感度が上がることを示しています。個人的な交流を拡大すべきです。地方政府間でできることは多いはずです。
言論NPOは2001年に設立、2005年6月1日から34番目の認定NPO法人として認定を受けています。(継続中) また言論NPOの活動が「非政治性・非宗教性」を満たすものであることを示すため、米国IRS(内国歳入庁)作成のガイドラインに基づいて作成した「ネガティブチェックリスト」による客観的評価を行なっています。評価結果の詳細はこちらから。