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この第5分科会の目的は、第一に、アジアの青写真について共有すること、第二に、青写真のなかでの共通課題をはっきりさせること、第三に、共通の課題を解決方法を議論することである。
わたしは問題提起者であるので、四つの問題を皆さんに議論を投げかけたい。
一つめは、地域統合の問題である。アジアの統合のための有利な条件、不利な条件とは何だろうか。また、実行可能な目標はどうすれば設定すればいいのか。そして、中国、日本がアジアの統合にどんな役割を果たせるだろうか。
二つめは、安全保障の問題である。東アジアは西アジアの教訓を学ぶ必要がある。ヨーロッパに近いほど介入され、影響が及ぶ。他地域から介入されない ようにアジアの問題を自分で解決しなければいけない。この点、アメリカからの影響力が大きいことは必ずしもアジアにとって有利ではない。
三つめは、アジアの発展の見通しについてである。20世紀後半は、アジア経済の発展の時代ではあったが、20世紀の最初は世界中の中でアジアの地位は低かった。世界はアジア地域の発展に注目している。この中で日中の役割は大きい。
四つめは、相互信頼の構築についてである。日中は、長期にわたって文化面での交流は深まってきた。もっと親近感があってもいいはずではないか。文字 は一緒であるし、歴史の中でさまざまなつながりがあった。アジア太平洋の世紀といわれている今世紀に、どうすれば相互信頼を築くことができるだろうか。
21世紀はアジアの世紀といわれているが、本当にそうか、という疑問がある。しかし、私はアジアの世紀だと思っている。まず、インド・パキスタンも 含めて64億中32億がアジアの人口である。なおかつ、非常に優秀な人材も多い。アジアの将来はこの潜在力のようにいくだろうか。
アジアで大きな影響力を持つのは日中であるが、意思疎通ができない。それはナショナリズムがあるからである。私は、ナショナリズムには3種類あると思う。
まず第一に「戦うナショナリズム」。争い、反発し、領土や覇権を求める。究極的には戦争になる。この「戦うナショナリズム」は使いたくなるナショナリズムである。しかし、これは必ず、指導者につけがまわってくる。
第二に、「競争するナショナリズム」。スポーツや学力はフェアな競争をする健康なナショナリズム。だから、中国がサッカーに負けて暴動を起こしたことは、徹底的に反省してもらわなければならない。
第三は、「誇るナショナリズム」。日本は日本の自然崇拝。アメリカは自由を誇っている。それぞれが誇るナショナリズムを見つけてくれれば、良い。
指導者には使って良いナショナリズムと使って悪いナショナリズムを分けてほしい。それを考えると、今の日本のナショナリズムは十分に分析されているのだろうか。
「アジアの世紀」という概念は整理しなければならない。中日両国が協力できなければ、アジアの世紀はあるのだろうか?アジアの協力について、日本が主導権を採るべきという人もいれば、中国という人もいる。もし、主導権をめぐって争うならばアジア協力はできない。
私は外交部で主にアジアについて担当したあと、ヨーロッパを担当した。そのとき感じたことは、アジアの勢いは素晴らしく、もっとも活力にとんだ希望 のある地域であるということだ。今後中日が現在の困難を克服しないと、既存の協力枠組みはマイナスの影響を受けざるを得ない。
信頼関係をどう構築するのか。われわれとしては古い考えを徹底的に捨てるべきである。WIN-WINという相互互恵のメカニズムにもっていかなけれ ばならない。中日関係とアジアの未来については、互恵、ウィンウィンというのが最も生命力がある考えである。それに基づいていれば前が開けるだろう。
日本の経済成長は環境や省エネに取り組みながら進めてきた。日本としては、エネルギー、環境問題に取り組む中であらゆる人材、技術を提供することによって、アジアや地球全体が抱える問題に取り組んでいきたい。
ASIAN UNIONを目指すときに、何をヴィジョンに掲げていくのか。西洋から起こった物質文明がいろいろな意味で限界に来ているので、アジア の文化多元主義やコミュニケーションから生まれるソフトパワーを進化させていくべきだ。共生というのは違う文化、宗教と生きていくことではないか。AUを 目指すにおいて、こうしたことを考えていくのは意味がある。EUも鉄鋼石炭共同体から始まった。緊急性と重要性から考えて分野を限定して協力、共同をただ ちに進めていくことはできる。
また、新しい時代のためには、1つは新しいメディアを作ることが必要だ。たとえば、日本の若者に対して日中間の相互互恵の意義について語りかけていくというメディアがこのフォーラムの中から生まれてくればよい。
アジアの中で重要なのは協力である。なかでも一体化というのは1つの大きな方法である。東アジアの未来は統合にあると思う。ただ、北東アジアの枠組 みは空白である。これは日中双方にかかっている。ただ、アジアの一体化のプロセスは早すぎてはいけない。Step by stepはアジアにあっている。
「アジアの価値観」のなかには、民主的価値観というのはまだないだろう。今の段階では平和的に紛争を解決し、いろんな文化や歴史のなかで協力を進め ていくという価値観は共有されている。紛争というと、領土の問題があるが、衝突のある地域を協力の地域に変えればよい。スプラトリー諸島のように、紛争を うまく処理していく。問題解決のモデルはゼロサムでなく、WIN-WINによって解決すべき。そうでないと、歴史的には誰もが見たくない結果が起こる。
民間レベルの協力には相互信頼が足りない。これがあって初めてうまくいく。
2002年に防衛庁長官だったが、首相の靖国参拝で防衛交流である私の訪中がだめになったことが、安全保障関係者として、とても残念だった。わたしは、東南アジアや米国を訪問したが、日中の関係を非常に心配していた。
わたしは、東アジアの集団的安全保障を考える上で障害になる項目は3つあると思う。
一つめに、朝鮮半島の問題。これは六カ国協議がベースになるのではないか。経済支援などがうまく成功すれば東アジア安全保障の基礎となるだろう。
二つめに、海底調査や石油の採掘については、事前説明をすべきである。アクシデントが起こったときに緊張が高まらないようにしなくてはならない。
三つめに、中国の台湾との関係、武器輸出などの懸案がある。中国は米国と経済的関係が強くなってきていて、米国も中国が責任ある利害共有者となることを期待している。
去年から始まった北京-東京フォーラムの趣旨は、現状に対する不安を解決するための議論のプラットフォームをつくることだった。結果として、共通認 識が日本側とできた。中日間では、メディア同士、国民同士の信頼関係がなければ、ともに発展をしてアジアの世紀をむかえることも不可能である。
調査結果を見ると、民衆の親近感が下がっている。このように、お互いの親近感がますます浅くなっている一方、両国の民衆が有識者も含めて、中日関係 は重要であるという認識がある。また、多くの人がお互いの国をあまりよく理解できていない。自分の国のメディアを通じて相手の国を理解している。メディア を通じてさまざまな報道をしているにもかかわらず、よく分からないという答えが多い。
メディアは新しい考えを持たなければならないということに賛同する。日中友好のスタビライザーの役割を果たすべき。火に油を注ぐようなことではいけない。
私は、今の情勢から出発するのではなく、近い将来の予測をして、先取りをして今のことを考えるという思考方法を提案したい。
将来の予測として必ずそうなる分野は「科学技術の発達」である。科学技術は国境を越える。となると、国境がどうしても邪魔になってきて、国境が低く なる。すると国境を越えた紛争の解決が求められ、関連する両国の共通するほう規範が必要となる。はじめは協議機関から始まるであろうが、やがて共同管理と いう考え方が、強くなる。かならずアジアの中で起こってくることだと思う。
孫文が「日本は西洋覇道の鷹犬となるか、或は東洋王道の干城となるか」と大演説をした。われわれ北東アジアは王道であるべき。世界の第一線にアジア らしい哲学と思想を持って臨んでほしい。中国が若い社会の建設に官民一体となってまい進している姿は、王道でいこうという意思表示でしかない。日本は中国 の動きに対してどのように呼応すべきか。
アジア的和の精神を根本において、世界で紛争解決にあたるべき。これを国の基本方針にし、周辺国にも広めていくべきだ。
私が大蔵政務次官だった当時、AMF構想がだめになった。その要因は、アメリカの反対に加えて、中国はまだ乗り気ではなかったからだと私は考えてい る。一方、チェンマイイニシアチブは、中国が積極的に乗り出したからうまくいった。EUでユーロの前に導入されていた「ECU」なる「ACU」をアジア地 域で検討することが日中韓で合意された。これが実現すれば、ドルを介在せずに日本に資本家からのお金が韓国の映画会社に流れていくこともできる。
調査結果に関して、学生や有識者の心と一般の心がずいぶん食い違っているということを思った。一般大衆に働きかけるには音楽、アニメ、漫画などのコンテンツを通すことが大切である。
では、日中の共通課題とはなにか。それはナショナリズムをどう克服するかである。指導者はナショナリズムの誘惑に打ち勝つ必要がある。
そして、解決への道とは、本音の話ができるトラック2を大切にすることである。一方で、政府と政府では、たとえばアジアで原子力を平和的に利用する という協力ができる。安全保障についても北朝鮮問題をおわったあとも枠組みを残せる。それぞれが別々に違う目的で動くことで、全体として東アジア共同体が できる。
2006年08月05日 17:15
次の2点について語っていただきたい。このままアジアの経済の動きは続くのだろうか?それに関する政治的な知恵とは?25年後のアジアについて語ってもらっていただきたい。単なる空想としての夢ではなく、実現可能な夢をお持ちだろうか。
第二に、アジアのリーダーとしてどのようなことが求められるか。
私は、一人当たりGDP3000ドルくらいになることを夢見たい。25年でそれができるのではないかという気がしている。中国は3000ドルになったら中 国共産党政治体制というのはガラッと変えざるを得なくなる。国民をまとめるのに困難をきたす。かなり情報もオープンになる。日本も他の国々も中国を怖がら なくなる。GDPで3000ドルということになると、ラオスやミャンマーはどうするのか。そのときはインドや中国日本が応援するという形が必要となってく る。
北朝鮮を経済的に日本が支援することは簡単。北朝鮮を食べられるような国にするというのは日本と中国の任務ではないか。そういう段階になれば、大きな経済 になった中国が日本がどういうアイデンティティを持つか。経済大国である日本。それがGNPでも肩を並べるようになると、日本とは何か、インドとは、タイ とは、と自分の居場所が分からなくなる。それぞれの国が経済、軍事、人口の大きさではなくて、その国の誇れるもので自慢することが理想。
アジアの国々は宗教とか文化とか経済発展がばらばらだからうまくいかないといわれていたけれど、価値観が違う人がいても尊重している限りけんかにならな い。ルースな話し合いの機構からもっと強固な機構になっていくというEUのようなことはしていくが、最後は個性があるゆるやかなものになる。
未来の予測は難しいが、中国は25年後も高速で発展していくだろう。中国のGDPは世界の0.8%未満であったが、5%を占めるようになった。25年後は さらに5%増えて10%になる。日本は世界におけるGDPは15%くらいだと思う。日本を軽く見ているわけではないが、これから順調発展していっても 15%のままであろう。日中を併せて25%になる。25年後にはアジアの国々には3分の1をしめる。
リーダーの資質とは、リーダーシップ、世界とコミュニケーション、もっとも重要なのは謙虚に世界と向かい合うということである。欧米人は他の地域を見下していた。傲慢な態度は経済の不安定の要因である。
共産党が「専制」だということについて。共産党は85周年にあたるが、1つは新しい人民を解放させ、2つめに社会主義、3つに改革開放を成し遂げて、中国 を繁栄させて強固にした。中国は小さい国に対して何かを押し付けたことがない。侵略の歴史を経て人に押し付けないという考え方ができた。中国が専制という 言い方に対しては反対する中国は平等を重視する。貧しい国も尊重する。
陳さんのご意見は二点にまとめられる。中国は相互尊重ということをベースにしているということ、中国共産党がたえず進歩を遂げているということを話していただきました。
若い政治家についても話していただきたいと思います。今後の展望について林先生はどうお考えでしょうか。
お互い共有できるようなものがあるのではないか。リーダー同士のキーワードではないか。このことはステップバイステップということは英語なので、それは英 語圏でもある。「不易流行」変わるものと変わらないものを区別すべき、という言葉があるがニーバーという哲学者が言っている。実はもう既に共通の基盤はあ る。特に日中は基盤があり、その外でも日中がリーダーシップを発揮するときでも、共通の認識としても持てる。
みんなちがっていていいと思う。ハードウェアーは互換性があるが、コンテンツは違うという考え方を哲学思想としてやれないのかなと思いました。
2年前か3年前に言論NPOの集まりで、中国の経済畑の高官を集めた。加藤先生が「アジアのリーダーになるべき」となぜ初めて加藤先生に接触した人がリーダーといったのでしょうか。
また、アジアの未来とは具体的にはどのような形でしょうか。王大使はヨーロッパのプロセスを見ると、アジアはどう見えるのでしょうか。
私はアジアの世紀を特に協調しているわけではない。中日関係のアジアに対する未来に対する重要性を強調したい。私は地域、地理的な条件が何かの協力に参加 するというのは古い考えだと思う。私が東アジア共同体という言い方はしない。将来としては共同体ができるのかは疑問。ただ東アジアの協力はできるはず。国 連にはアジアグループがあり、53国ある。国連の枠組みには53がある。ロシアやオーストラリア、ニュージーランドはそこには含まれない。53カ国の共同 体ができるのでしょうか。私は異なる見解を持っている。私はより慎重な態度をもつことがいいのではないか。
ただ、21世紀の世界の問題、たとえば平和発展に対して多くの貢献ができると思う。一つ一つの分野を着実に協力をしていくことが必要。やりやすいところか ら複雑なところへ。ただ、協力は地域をまたいだもの。感染病はアジアだけでやっていてはだめでしょう。全地球的な問題である。
グローバル化と地域の一体化は同時に発展し、補う存在であるべき。アフリカにも連盟が出てきているが、その前にもさまざまなプロセスが出来てそういう形に なった。それぞれの目的があったと思う。まず、外部からの対抗。内部の問題を解決するためのプラットフォームをつくるという動きだと思う。
アジアの一体化や東アジアの一体化という概念というのはルーズにつかわれていると思う。まず定義が必要である。アジア共同体を形成できるかというと、私には見えてこない。歴史的排他的なものではないか。
中国から、アジア共同体に疑問があがった。その点について私は、早稲田大学でボンにヨーロッパセンターをつくった。なぜ何百年もけんかしてきたヨーロッパ が通貨を統合するに至ったのか。その結果が今日の私の発言となっている。歴史の枠組みがそういう方向であるという認識を持ち、できる範囲でできる形でやっ ていくべき。
北朝鮮問題についてどう思われますか。
感情の係数は必要であり、夫婦でも友達でもある程度の無理はやる。たとえば、ある程度感情が入った関係であると、BSEも全体的に見るとマイナスでも受け入れた。
北朝鮮について、4回目の会合で共同声明まで行った。1番は中国、2番は日本。日本はアメリカにパートナーの関係で意見することができる。日本がアメリカに対して話し合いしかない、気持ちがあるということをアメリカに伝えるメッセンジャーができる。
北朝鮮が核を持つと、日米の関係が強固になる。ますますアジアから離れていく。北朝鮮も核を持つなら日本も持つという議論ができるかもしれない。
安全保障の専門家から議論をどうみますか。
率直について議論できていると思います。中国の汚染は日本に及ぼす。インドも中国も生存していきたい。日本のような生活がしたい。協力の契機がある。西側 からマネージメント、アジアの市場ももっている。日本は発展する過程で日本としては発展途上国に手助けをする責任がある。エネルギーの協力をやっていただ ければ受け入れる。北朝鮮にはきっかけをあたえてあげることが必要である。
中国の軍事の透明性については日本と同じくらいの程度である。日米同盟についても不透明なものがあると思う。
北朝鮮は東北アジア日中韓の協力の契機になると思う。強制的な外交をとるのか、協力的な外交をとるのか、アメリカは強制的な外交をとってきた。結果は戦争 になる。日本は既に平和的な外交を取ってきて、他の国に受け入れられるということが重要。中国は譲歩できるようにいろいろ働きかけをしている。みんなが平 和的道のりに北朝鮮があゆむようにしなければならない。アメリカに強制的手段をとらないように日本はしてほしい。
北朝鮮について
核問題について最も重要なのは、ミサイルを発射した後、やはり北朝鮮に対して道を残してあげなければならないということを考えた。六者協議は4回目を向か え、非常に結果が得られた。最終的に目標を達成できれば、6者協議によって北朝鮮の問題を解決できるのならば、相互信頼が生まれ、北東アジアの安全保障も 安定する。世界の安全保障にとっても有益である。ですから6者協議のメカニズムを使っていきたい。
北朝鮮は大した国ではない。軍事的に弱い。一般国民は軍事的知識がない。日本は自分のちからをしらない。このPRは難しい。北朝鮮が怖い存在であるという のが日本メディアの主流である。アメリカの軍事も、日本の専門かも、韓国、中国の専門家もほとんどnegligibleであるというので一致していると思 われる。その知識を広めるってことが必要
今回のテーマのなかで、どうやって相互信頼を築くのかということが根本的な問題ではないか。
相互理解については、共同調査に答えが出てるのではないか。実際に中国を訪れたり、友人がいる場合はこたえが変わっている。
ついさっき出た共同通信社の報道に「小泉首相の首脳会談の中国側を牽制した」とあった。さっきの発言のどこに牽制の意図がありましたか?既存の日本ディアを直視すべき。
わたしは、人の批判をするひまがあれば、もっと素敵なものをつくる。という運動論をとっています。メディアは必ず編集方針がある。これからはエディターで あるべきだと思う。われわれの方針はは日中のコラボレーションをつくっていくこと。そういう編集センスを持った人材を多数ネットワークの中で相互尊重の中 で自ら発信をしていくか。東京北京フォーラム発のメディアを提案したい。
お互いに理解をすることを踏まえて相互信頼の基礎だと思う。お互いを知るのが自国のメディアを通して。新しいメディアの形がすでにでてきている。これまで の既存のメディアであると工場や配達が必要。両国の理解を深めるという意味ではネットワークメディアという新しい形を借りて国際交流を進めて生きたい。イ ンターネット、無線通信、3G、ユビキタスということでいろんなことができる。技術的に可能になっている
あと言葉の問題はある。1年に1回二日間のフォーラム以外に終わりのない中日交流の場ができないかと議論した。ウェブ上に実現したい。明日発表できる。二ヶ国語で。オープンな形。行き来することも大切だけれど、常に続いているようなウェブが必要。言葉の問題はあるけれど。
主観的な願望ということで言うと、編集の問題がある。新聞社の方針として何を決めるのか。過激な報道をするのか、沈静化させるのか。民意を反映する、国益 を守るというのも必要。それぞれの国の利益を考えて、中日両国の民意としても両国の重要性はますます認識している。自国の利益を守ることから出発して、そ れぞれ貢献すべきである。
チャイナデイリーで相互理解のための努力をしていたい。
このフォーラムは3年前に紙面メディアがよくないということで始まった。
お互いの信頼を促進できるようなメカニズムができるようにしてほしい
今日のパネルは全員男性です。言論NPOはなぜオトコだけで議論するのか?
次回からは女性も入れていただきたい
議論として欠落していることは、狭い議論になっていると思う。もっとすべきなのは、地球は小さくなっていて、アジアやヨーロッパもない。大きなヴィジョンとして。全人類のためにつくすことが日本の国益になるから。まずは隣近所からはじめるという視点を取り入れて欲しい。
中央政府と地方政府の関係が大切だと思っています。東京ー北京フォーラムだけでなく、地方にもやってほしい。ズームレンズをぐっと近づいてくるのではないか。
ODAの仕事に携わっているが、金融や年金など、日本も抱えている問題を状況は違えど関わってくる。新しいODAの形があるのではないか。
共同で最貧国を助けていくというのは理想的である。しかしODAをえさにして勢力圏争いをしているのが現状ではないか不毛な勢力圏争いから抜け出すためにはどうすればいいのか?
それぞれの国が自信を持てるところ、自慢できるところを育てて、相手側に尊重してくれるというところがないといけない基礎技術、応用技術、それをさせる教育。知的資産をどんどん増やしていくそれでほめてもらう。それに対して寛容に他国に与えていく
道義的な責任が大事だと思う。孟子が人の答えるときは、人の意見をきいて受け入れてもらうためには自分が尊敬されるような人にならなければならない。
公式見解があってそれに沿って発言するということであったが、今回は違ったので驚いている。
関西で議論していたとき、それは東京の問題だといわれた。
言論NPOに対する宿題。国家の顔がどうしても出てくる。日中関係が悪いというのは、中年男性が政治を論じているだけでないか。生活感がない。
最後に三点言いたい。
第一に、アジアというのはもともとの由来は、古代ローマのアッシリア語=トルコから向こう側をひとまとまりにされた。他者が決めた概念を自分たちの概念に 自分たちの概念に組み替えていくということは、日本が積極的に行った。中華世界だったがアジアという概念を日本が使っていた。どの調査を見ても、アジア人 の意識が低いのは中国と日本。
第二に、価値を作るということは大変である。トルコからこちらをアジアとするならば大変なことになる。東アジアもしかり。日本よりも中国のほうがア ジア的価値を協調しない。日本のほうが歴史的に協調する。より不変的な価値に見出している。そこにどう向かっていくのかというのが中国にとって大事なとこ ろ。
第三に、日本も中国もヴィジョンを持たなければならない。言葉は誰でも言うことができる。行動にうつすことが難しい。大切。中国もそう。国連、 WTOでも、これまでメンバーシップを獲得することに関心を持ち執着する。その後なにをするのか?ということ。その中国の行動に関心を持っている。国際貢 献について言い出したことは大きな変化。世界中は中国について注目しているということを忘れないでほしい。
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