. 言論NPO主催「東京-北京フォーラム」公式サイト - 2008年 第4回

 【 2008年日中世論調査の概要 】

 日本の言論NPOと中国日報社は日中の両国民を対象とした共同の世論調査を今年の6月から7月にかけて実施した。この調査は2005年から日中共同で毎年行っており、今回が4回目となる。調査の目的は両国民の相互理解を進めるため、お互いの認識を継続的に把握することにある。

 この調査は毎年行い10年間継続すること、さらに調査結果自体を毎年、「東京‐北京フォーラム」の議論の題材として取り上げ、広く国民に公開される形で議論を行うことで、両者は合意している。世論調査を日中対話に反映させることで、両国民間に存在するコミュニケーションや認識のギャップに向かい合い、その解消や相互理解の促進に貢献することを目指している。

日本の世論調査は、日本全国の18歳以上(高校生を除く)の男女を対象に6月11日から7月6日まで訪問留置回収法によって実施された。有効回収標本は1000である。

 これとは別に、日本の有識者アンケートを実施すべく、これまで言論NPOの議論活動や調査に参加していただいた国内の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など2000人に質問状を送付し、うち400人から回答をいただいた。最終学歴は大学卒が75.3%、大学院卒以上が20.0%と合わせて95.3%となる。これらは日本の社会で働く平均的なインテリ層の姿を示していると考え、世論調査と比較することで、一般的な日本人のイメージを補完しようと考えた(世論調査対象者の最終学歴は高校卒が50.4%、短大・高専卒が17.5%、大学卒が19.3%、大学院卒が0.4%である)。

 中国の世論調査は北京、上海、成都、瀋陽、西安の5都市で18歳以上の男女を対象にして6月28日から7月15日まで実施され、有効回収標本は1557、調査員による面接聴取法によって行われた。標本の抽出は上記対象都市から無作為に調査世帯を選ぶ多層式無作為抽出方法がとられた。

 学生アンケートは、日本側の有識者調査に対応すべく、中国で実施されたもので、北京大学が実施主体となり、北京大学、清華大学、中国人民大学、国際関係学院、外交学院の学生を対象に行われ、1037人から回答を得た。

 【 2008年日中世論調査の要約 】

 2008年の日中共同世論調査では日本人と中国人の認識に対照的な傾向が浮き彫りになっている。日中首脳会談の再開など政府間の関係改善が定着する中で、一般の中国人や中国の大学生の間には現在の日中関係を始めほとんどの設問でプラスの評価や改善の傾向がはっきりしている。

 これに対して日本人の大部分が日中関係は重視しているものの、この一年での一般の日本人の中国への印象は悪化するか、あるいは冷ややかなものになっている。但し、この傾向は直接的な交流の経験を豊富に持つ有識者にはそう顕著ではなく、むしろ有識者には改善傾向もみられる。様々な設問から、中国産品の安全性に多くの日本人が強く反応していることが分かる。日中関係発展の障害や中国を訪問したくない理由に、この安全性の問題が選ばれている。

 一方で両国民間の直接交流はほとんど進まず、両国民が認識のほとんどを間接情報、すなわち自国のメディア報道に依存している構造はこの一年も変わっていない。

 こうした状況下で両国民の理解に関してはそれぞれ依然初歩的な段階にとどまっており、中国人の多くが、いまなお日本の支配的な思想を軍国主義と見るなど、相互の認識に関するギャップが根強く残っている。

 具体的なテーマでも日中の国民間の対照的な傾向が色濃く出ている。中国国民の間に日本に対して全般的に協力的な見方が強まっていることと、一般の日本人側の冷めた見方が好対照になっている。また、中国製の食品の安全性に関しては日本人のみならず中国人の間でも不安が広がっていることが分かった。

 

 【 各設問の調査結果の要約 】

―お互いの認識を作り出す直接交流の度合いと情報源―
両国民の直接交流は依然乏しく、情報源は時刻のメディア頼み 

4 0102 これまでの3年間の世論調査は、両国民間の直接交流が極めて少なく、相手国に関する認識のほとんどは自国のニュースメディアの情報に大きく依存しているという状況を浮かび上がらせている。4回目となる2008年の調査でもこの傾向は基本的に同じで変化は見られない。

 日本人のうち中国への訪問経験がある人は15.4%(昨年は13.5%)で、中国人で日本を訪問した経験がある人はわずか0.4%(昨年は1.1%)しかない。また多少話ができたり、親しい中国人の友人がいる日本人は16.3%(昨年は15.4%)で、同じくそういう日本人の知人がいる中国人は5.4%(昨年は7.0%)である。


 直接交流の経験が少ない両国民は結局、間接情報に依存するしかない。両国民の相手国に対する情報源は、日本人の96.1%、中国人の91.5%が「自国のニュースメディア」と回答している。メディアの中では両国民ともテレビメディアを最も多く挙げている。

 これに対し日本の有識者は8割が中国への訪問経験があり、7割が中国人の知人を有している。中国の大学生も日本への訪問経験は少ないが3割が日本人の知人を持っている。直接交流の経験のあるこのような人も情報源は自国のニュースメディアだが、若干多様化している。最も活用するメディアについては日本の有識者は新聞、中国の大学生はインターネットを挙げている。4 0103

 

 ―お互いの国や国民に対する認識と基本的な理解―
日本人の中国に対する印象はこの一年で悪化
中国人の日本の印象は改善傾向にあるものの依然良くない 


4 0202 日本人の中国に対する印象は、「どちらかといえば良くない印象」が60.8%(昨年は57.6%)で、「良くない印象」は14.8%(昨年は8.7%)と前年と比較して悪化している。その理由として最も多いのは中国の「資源やエネルギー、食料の確保の行動で自己中心的に見えるから」の56.3%で、「歴史問題などで日本を批判するから」(48.3%)と、「中国人の愛国的な行動や考えが理解できないから」(41.9%)が続いた。


 これに対して、中国人の日本に対する印象は、「どちらかといえば良くない印象」が36.0%(昨年は29.5%)、「良くない印象」は4.6%(昨年は7.0%)と日本にマイナスの印象を感じている人は「良い印象」の1.7%(昨年は0.7%)、「どちらかといえば良い印象」の25.6%(昨年は23.7%)と比べて依然多い。この一年間の印象の変化で見れば「非常に良くなった」が6.6%(昨年は3.0%)、「どちらかといえば良くなった」が54.3%(昨年は47.5%)と改善傾向が見られる。

 他方、日本の有識者も中国の印象に関して悪化が見られるが、一般の日本人ほど顕著ではない。印象もマイナス、プラスの二つの見方が分かれている。印象が悪い場合の理由は「資源やエネルギー、食料の確保の行動で自己中心的に見えるから」が65.7%で最も多い。中国の大学生も印象に改善傾向は見られるが、それでも半数を超える学生(56.4%)がマイナスの印象を日本に感じている。

 

―相手国に対する基本理解―
日本は依然「軍国主義」、中国は「社会主義、共産主義」が最も多い 

 日本人の中国に関する基本的な理解の状況は大きな変化が見られない。「中国と聞いて何を連想するか」では、「北京五輪」が新たに加わったが、その他は「中華料理」、「万里の長城」など常連が並ぶ程度である。「知っている中国の歴史上のできごと」で最も多いのは「天安門事件」の77.5%で、「香港返還」が66.5%で続いた。

 「知っている政治家」の中では今回も「毛沢東」が92.1%(昨年は94.0%)と最も多くなったが、「胡錦涛」の知名度は訪日もあり、81.3%(昨年は63.5%)と大幅に増えた。

 また日本人の75.0%が中国を「社会主義・共産主義」の国と見ているが、この一年で言えば「全体主義(一党独裁)」が昨年の27.4%から34.2%に増えた。

 中国人の日本に対する理解では、まず「日本と聞いて連想すること」では「南京大虐殺」が62.2%と今年のトップになった。これは昨年の49.3%から大幅に増えたが、今年は次いで「電器製品」(51.3%)や「桜」(38.0%)が多数を占めた。「対中援助(ODA)」(1.8%)などを選ぶ人はわずかであった。

 日本の政治家の知名度では元首相の「小泉純一郎」が相変わらずトップで67.7%だが、「福田康夫」も33.2%で続いている。日本の社会・政治思潮を問う設問では、今年も「軍国主義」が46.4%で最も多くの回答を集めた。

 これに対して日本の有識者は中国を「全体主義(一党独裁)」と見る人が65.5%と最も多く、「社会主義、共産主義」の57.0%が続いている。この二つは前年と比べて増加している。昨年最も多かった「大国主義」は46.8%で、今年は減少した。

 中国の大学生で最も多いのは「民族主義」の66.2%で、「資本主義」が64.2%で並んだ。昨年2位の「軍国主義」は3位に後退したが、依然43.5%の大学生も今の日本の支配的な思想を「軍国主義」と見ている。4 0302

―相手国の国民性をどう見ているか―
日本人は「好戦的」で「創造的」、中国人は「非協力的」で「信用もできない」


 日本人、中国人ともに、相手国の国民を「傲慢」と思う人の割合が「親切」と思う人を上回っている。「勤勉か怠慢か」では日本人、中国人とも相手国民を「勤勉」とみる層が多いが、中国人が日本人を勤勉と見る傾向が強い。

 「平和的か好戦的か」という問いについては、中国人の半数が日本人のことを「好戦的」と考えており、日本人が中国人を「好戦的」と思う割合を上回っている。

 また、中国人を「信用できる」と答えた日本人は4.6%に過ぎず、「信用できない」と回答した人は過半数を超え(55.5%)、日本人は「信用できない」と回答した中国人の割合(44.9%)を上回っている。また、7割近くの中国人が日本人を「創造的」と考えているのに対し、中国人を「創造的」と考えている日本人は1割程度に留まり、4割が「模倣的」と見ている。また、日本人の5割弱が中国人を「非協調的」とみているのに対し、日本人を「非協調的」とみる中国人は3割弱、他方で「協調的」とみる中国人も3割弱で意見が分かれている。

 中国の大学生の方が、一般の中国人のよりも日本人を「勤勉」で「頑固」であり、「協調的」で「集団主義的」と見ており、日本では有識者の方が、一般の日本人よりも中国人を「模倣的」で「利己主義」と見ている。

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―現状の日中関係に関する認識―
日本人は現在の日中関係は「悪い」と感じ、中国人は「良い」が多く、昨年から大幅改善 

「両国関係をどう見るか」に対する回答は対称の様相を示し、「悪い」と回答する日本人は5割弱であるのに対し、「良い」と回答する中国人は5割強で、昨年の24.9%から大幅に増えている。

 「日中関係が今後良くなっていく」と答えた中国人が8割強であるのに対し、日本人の35.0%は「変わらない」と答え、「良くなっていく」の32.2%を上回っている。

 しかし、両国民とも8割以上が「両国関係は重要」と考えている。両国関係と米国との関係については、「米国とも中国とも同程度に関係を強めるべき」と回答した日本人が6割強、「米国とも日本とも同程度に関係に強めるべき」と回答した中国人は5割強と両国とも過半数を占めている。しかし、自国の将来を考えるにあたって、「世界のどの地域の動向に関心があるか」という質問に対して、日本では「米国」が66.0%、「中国」が59.8%であるが、中国では「米国」が75.5%で断トツに多く、2位に位置づけられた「日本」は44.2%でかなり差が開いている。

 日本の有識者は一般の日本人とは異なり、日中関係が「良い」と判断する人は5割弱おり、前年と比べてもこの判断を大幅に改善させている。ただ、今後の両国関係に関して「良くなっていく」が半数を超えるものの、前年から大きく減少している。

 中国の大学生も一般の中国人と同じく、「良い」が大幅に増えており、9割を超える人が日中関係は重要だと考えている。

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―日中関係の発展を妨げるもの―
日中関係の生涯のモノとして両国民が挙げたのは「歴史問題」だが、日本人は「中国産品の安全性の問題」を重視している 


 日中関係の発展を阻害するものとして日本人が考える項目は「歴史問題」が53.9%で最も多く、続いて「中国産品の安全性の問題」が46.2%、「領土紛争」が37.3%で続いている。世論調査が行われた今年6月前にはチベット問題や聖火リレーが論議を呼んだが、その際に話題となった人権問題は4.4%、「中国国民のナショナリズム」は5.7%にとどまった。

 一般の日本人は「中国産品の安全性の問題」への反応が大きいが、日本の有識者で「中国産品の問題」を挙げた人は17.0%に過ぎない。

 有識者に多いのは「歴史問題」の50.0%、「中国国民の反日感情や行動、中国政府の姿勢」の39.3%、「領土紛争」の36.5%と続き、「中国国民のナショナリズム」を挙げた人も26.0%いる。中国人が挙げるのは、「歴史問題」が71.8%と突出して多く、二番目の「領土紛争」は33.6%とかなりの差が開いている。中国の大学生では「歴史問題」(73.6%)と「領土紛争」(70.6%)が並んでいる。

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―日中のメディア報道に関する両国民の認識―
日本人は中国に「報道と言論」の自由がないと判断しているが、中国人も日本の「報道と言論」が実質的に規制されていると見ている
食品の安全や五輪開催の両国のメディアの取り上げ方は中国人が「両国とも適切」と思っているが、日本人は「中国は不適切」と感じている

 

 日本人の8割以上が「中国には報道や言論の自由はない」「報道が実質的には規制されている」と答え、有識者はさらに厳しく9割強がそう感じている。他方、中国人の12.5%が「日本には言論や報道の自由はない」と考えており、54.1%が日本の報道は「実質的には規制されている」と回答している。中国人大学生の中で、「日本には言論や報道の自由はない」と感じているのは1.6%と少ないが、58.7%が「実質的に規制されている」と回答している。

 「自国の報道は客観的である」と回答する日本人は35.0%であり、「客観的な報道をしているとは思わない」とみる日本人が26.0%いると見方が分かれている。

 日本の有識者は日本のメディアの報道に47.3%が「客観的な報道をしているとは思わない」と見ている。日本では報道の客観性においてその信頼が問われているのに対して、中国人の報道への信頼は高く、「自国の報道は客観的である」と回答する中国人は72.3%にも及んでいる。ただ、中国の大学生は55.1%が「どちらとも言えない」と答えている。

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 食品の安全や五輪開催に関する、両国のメディアの取り上げ方について、「両国とも適切」と回答した中国人は42.8%であるのに対して、日本人では3.0%に過ぎず、40.3%が「日本は適切だが中国は不適切」と感じている。
 ただ、こうした一般の世論に対して、日本の有識者は31.8%が「両国ともに不適切」と見ており、中国の大学生は「どちらとも言えない」が37.9%と最も多く、「両国ともに不適切」も13.5%ある。

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―お互いの国を訪問したいか―
日中両国民とも相手の国には「行きたくない」と感じている

 

 相手国に「行きたくない」という意見が両国民とも過半数を占めているが、日本人側の理由としては「安全、衛生上の問題があり安心できない」が8割を占める。他方、日本の有識者および中国の大学生は逆の傾向を示しており、8割以上が「行きたい」と回答している。

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―胡錦濤国家主席のの訪日の成果―
中国人の大部分は日中首脳会談は「成果があった」と見ているが、日本人は「どちらともいえない」と判断が固まっていない 


 胡錦涛国家主席の訪日の成果について「どちらともいえない」と回答する日本人が57.0%で最も多いのに対し、中国人の79.0%が「成果があった」と回答している。ただし、日本の有識者は66.3%が「成果があった」と回答している。また、日中首脳会談で議論してほしいテーマとして、日本では「北朝鮮問題」、「省エネルギー、環境問題での協力関係の強化」が上位にあるのに対し、中国では「貿易、投資など経済協力関係の強化」と「省エネルギ-、環境問題での協力関係の強化」がトップに並んでいる。

 日本の常任理事国入りに関する質問について、中国人は「常任理事国になる必要はない」が69.5%と最も多く、「なるべきだ」は14.5%に過ぎなかった。この傾向は中国の大学生も同様である。

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―日中関係と歴史問題について―
歴史問題に関しては「両国関係の発展に伴い徐々に改善する」と中国人は楽観的だが、日本人は「解決が難しい」と見る人が多い 

 歴史問題に対する日本人の認識は依然厳しく、「両国関係が発展しても歴史問題の解決は困難」と回答する日本人が34.6%であるのに対し、中国人のほうはより楽観的で、「両国関係の発展に伴い、歴史問題は徐々に解決する」という回答が57.7%と昨年(52.1%)を上回った。ただ、日本の有識者と中国の大学生はそれぞれ世論と異なり、日本の有識者は6割が「両国関係の発展に伴い、歴史問題は徐々に解決する」と楽観的な傾向を示し、また中国の大学生は意見が3つに分かれた。
 日本の首相の靖国神社参拝を容認する日本人が増加している。「参拝しても構わない」が37.2%、「私人の立場なら参拝しても構わない」が35.0%で、靖国神社に「公私ともに参拝すべきでない」は13.2%に過ぎない。これに対して日本の有識者は39.8%が「公私ともに参拝すべきでない」と考えている。

 中国人は「公私ともに参拝すべきでない」が6割弱(59.6%)と過半数を占めている。中国の大学生も「参拝すべきではない」が53.8%と過半数を越えるが、「私人の立場なら参拝しても構わない」が4割近く(37.6%)もいる。

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―軍事的脅威に関する認識―
日中両国民ともお互いの国に軍事的脅威を感じている 

 日本人が軍事的な脅威を感じる国として多かった回答は「北朝鮮」(74.3%)、「中国」(54.8%)であるが、中国人では「米国」(60.4%)、「日本」(48.1%)で、両国民とも相手国に対して互いに軍事的な脅威を感じている。

 日本の有識者も一位は北朝鮮の73.3%だが、中国に脅威を感じる人の割合は66.3%と高い。中国の大学生も同じ傾向である。

 日本人が中国に軍事的脅威を感じる理由は、「軍事力増強」や「核兵器所有」が最も多いのに対し、中国人は「日本には侵略戦争を起こした歴史があり軍国主義復活を望む人がいる」ことをあげている。

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―両国の経済成長と経済発展―
日本人は中国経済を「脅威」とみるが、中国人は「WIN-WINの関係」と見る人が今年は増加。
中国経済が今後も発展する中で、日本人の意見は分かれるが、中国人は今後も日本が「経済大国の役割を果たせる」と見る人が多い 

 日本人は、「中国は今後経済成長を続ける」という見方を支持する回答(44.9%)と、「中国の経済成長のペースが弱まる」という回答(42.1%)があり、中国のこれからに関して見方が分かれている。ただ、日本の有識者の7割弱(69.3%)が、「中国の今後の経済成長のペースは弱まる」とも見ている。

 中国経済の見通しに日本人の見方が分かれる中で、中国人は日本経済の今後の関して楽観的な見方が増加している。「日本は今後も経済大国としての役割を果たす」と回答した中国人は54.8%(昨年は29.2%)で、中国の大学生も64.4%(昨年は28.6%)と、いずれも前年を大きく上回っている。

 また、経済関係について「互いに脅威になっている」と回答する日本人は41.6%で、“ウィン・ウィンの関係”(30.2%)を上回っている。他方、中国人の62.9%が、両国経済が“ウィン・ウィンの関係”であると回答しており、「互いに脅威になっている」は11.5%(昨年は19.1%)である。昨年と比べると“ウィン・ウィンの関係”であると考える人が増加し、「脅威」とみる人が減少している。

 これに対して日本の有識者の65.8%が両国の経済関係は“ウィン・ウィンの関係”であると見ており、中国の学生も67.7%がそう判断している。

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―資源・エネルギーの確保と地球環境問題について―
資源、エネルギー問題では両国民の6割が「対話での解決」を望み、地球温暖化への対応でも中国人の過半数が「日中の技術協力で排出量を抑制すべき」と考えている


 資源とエネルギー確保について、63.2%の日本人が「両国の対話によって問題を解決すべき」と回答し昨年と同じ傾向を示したのに対し、中国人の59.9%が「対話によって問題を解決すべき」と回答しており、昨年の16.8%から大幅に増加した。この傾向は日本の有識者も中国の大学生も同様である。
 環境政策と経済成長については、日本人の間では、「経済成長を抑制しても環境を保全すべき」という意見と、「経済成長を阻害しない範囲で環境対策を行うべき」という意見が分かれるのに対し、中国人の54.8%が「経済成長を阻害しない範囲で環境対策を行うべき」あるいは「経済成長のためには、環境の配慮は行わなくてもよい」(3.9%)と回答している。これに対して日本の有識者は62.3%が「経済成長を抑制しても環境を保全すべき」と答えており、中国の大学生もその意見が52.6%と半数を超えた。

 また、地球温暖化に対する取り組みでは、「中国も主要排出国として責任を負うべき」と回答する日本人が49.5%、日本の有識者は68.8%であるのに対し、中国人の56.7%、中国の大学生の63.9%が「日中両国の技術協力によって排出量を抑制すべき」と回答している。

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―食糧の確保と食品の安全性に関する認識―
日本人だけでなく、中国人も中国製食品の安全性に不安を感じている 

 日本人の85.3%が自国の食料自給率を向上させるべきだと考え、中国人も50.4%が「海外への依存度をこれ以上高めず、自給を目指すべき」と回答している。中国製食品の安全性については、日本人の95.0%、日本の有識者の93.0%が不安を感じているが、中国人自身もその38.8%、中国の大学生の56.7%が自国の食品について不安を感じている。4 1402

カテゴリ: 日中世論調査