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【記事】 1日目 全体会議 (前半)

記事 1日目 全体会議 前半1

 8月30日午前、都内ホテルにて、第6回東京-北京フォーラムの幕開けとなる全体会議が開催されました。

 会議冒頭では、主催者を代表し、日本側実行委員長の安斎隆氏(株式会社セブン銀行代表取締役会長)、中国側から朱霊氏(中国日報社総編集長)が挨拶を述べました。この中では、戴秉国氏(中国国務院委員)の書面挨拶も代読されました。続いて、日中両国政府を代表し、日本側から仙谷由人氏(内閣官房長官)、中国側から程永華氏(駐日本国特命全権大使)が挨拶しました。その後は基調講演に移り、フォーラムの全体テーマ「アジアの未来と日中の貢献」に沿う形で、福田康夫氏(元内閣総理大臣)、王晨氏(中国国務院新聞弁公室主任)、三村明夫氏(新日本製鐵株式会社代表取締役会長)、陳昊蘇氏(中国人民対外友好協会会長)の各氏が日中両国の現状と未来についての見解を披歴しました。総合司会は、国分良成氏(慶応義塾大学法学部長)が務めました。

 

記事 1日目 全体会議 前半2 始めに、国分良成氏(慶応義塾大学法学部長)が簡潔な挨拶を述べた後、日本側実行委員長である安斎隆氏(株式会社セブン銀行代表取締役会長)が日本側主催者を代表してスピーチを行いました。安斎氏は、この20年間における中国・アジアの目覚ましい経済成長に触れ、その理由を「周辺諸国において平和を維持できたことだ。その上で大胆な改革開放を実現し、分業の枠組みを築くことに成功してきたことが要因だ。」とまとめました。一方で、なおも世界的に影響が続く昨今の経済金融危機に対する懸念を述べました。そうした状況を踏まえ、「自国通貨安への誘導、失業の輸出といった近隣窮乏化政策、保護貿易的な動きが出てきていることは憂慮すべきだ。こうした経済発展を阻害する動きは阻止し、軍事的緊張も避けねばならない。そのための真摯な議論が行われることを期待する」としました。 

記事 1日目 全体会議 前半3 続いて、中国側首席の朱霊氏(中国日報社総編集長)が挨拶を述べました。初めに、戴秉国氏(中国国務院国務委員)の書面挨挨拶が代読され、「中日両国は世界とアジアの重要国家であり、アジアの協力を推進するミッションを負っている」「その中で本フォーラムの国際的影響力は高まっている。ますますの成功を期待している」といったメッセージが会場に伝えられました。続いて朱霊氏は、2005年のフォーラム発足時を振り返り、「当時は冬の時代だったが、現在の両国関係は健全な発展段階に入った」としました。また朱氏は、両国関係の中でメディアが果たす役割について言及し、「両国の主流メディアは両国の国民感情に見えない影響力を与えている。双方の背景は異なるのだから、意見の相違や矛盾は避けられない。それらを客観的に報道していくことが必要だ」「そうした役割を推し進めるため、本フォーラムの中で議論していきたい」と抱負を述べました。

記事 1日目 全体会議 前半4 次に、両国政府を代表して挨拶が行われました。まず、日本政府を代表して挨拶した仙谷由人氏(内閣官房長官)は、「日中関係は最も重要な二国間関係の一つであり、本フォーラムもその重要な一翼を担っている」と、本フォーラムの意義を強調しました。また、近年の日中関係について触れ、「頻繁な首脳会談や外相会談、あるいは資源や防衛など個別の課題について、着実に協力が積み重なっている」とし、「今後も環境や経済など様々な分野について、具体的なプロジェクトにおいて協力していくことが必要だ。それが、ひいてはアジア共同体に繋がる」としました。一方で、「両国の国民感情についてはまだ改善の余地がある」と述べ、「本フォーラムの中で、活発な議論を通じて相互理解と信頼を導いていくことを期待している」と述べました。

記事 1日目 全体会議 前半5 中国政府を代表して挨拶を述べた程永華氏(駐日本特命全権大使)は、「日中両国は、アジアを発展させる重要なミッションを負っている。その中で、本フォーラムも重要なプラットフォームとなってきた」と述べました。その上で、現在日中両国が直面する課題に対処するための考えとして、4つの視点を説明しました。程氏は、「第一に、政治面での相互理解を促進し、ハイランクの交流を維持すること。第二に、相互の優位性を掘り下げ、長期的な発展のために経済貿易関係を深化させていくこと。第三に、ビザの取得要件緩和など、相互の信頼と理解を推し進めていくこと。第四に、FTA交渉の研究などを含め、アジア統合のために新たな貢献をしていくことが必要だ」としました。

 

記事 1日目 全体会議 前半6 これらの挨拶の後は、基調講演が行われました。初めに講演を行った福田康夫氏(元内閣総理大臣)は、2005年以降の日中関係について、自身の取り組みも踏まえた上で、「戦略的互恵関係の具体的内容や方向性が確立され、二国間に留まらずより広く貢献する関係に転換していくための動きが続いてきた。今後は、それらをどう制度化し、有機的に関連させ、継続させるかが課題だろう」と述べました。また、大国化する中国が開放的で平和なパワーとして国際社会と共存していく必要性にも触れ、今後の日中関係について「大局的な観点に立ち、譲るべきところは譲ること。背景や制度が全く異なる両国の単純な比較を慎むこと。そして、本フォーラムのような非政府の対話を継続することが求められる」と提案を行いました。

記事 1日目 全体会議 前半7 続いて講演した王晨氏(中国国務院新聞弁公室主任)は、近年の日中関係について、貿易関係の拡大、文化やスポーツ、青少年交流や防衛交流など多分野での交流の拡大、そして、両国の大国としての責任の自覚などの要素が見られることを指摘しました。中国の経済発展については、「未だ大きな不均衡が存在しているのは事実で、今後とも発展モデルの調整を図っていく」「我々の願いは平和的な発展であって、いかなる国にとっても脅威ではない」と述べました。また、近年メディア間での対話が深まっていくことにも触れ、そうした交流を通じて相互理解が深まることへの期待を表明し、講演を締めくくりました。

記事 1日目 全体会議 前半8 三村明夫氏(新日本製鐵株式会社代表取締役会長)は、中国の経済発展について、農村部と都市部の間での格差が存在することを指摘したうえで、「国力を見る基本的な指標はGDPの総額であって、その面では中国は立派な大国となっている」としました。そして三村氏は、今後の日中関係を考える上で、「開かれた国益」という考え方に触れ、「国家が国益を考えて行動するのは当然であり、また両国の国益が重なる部分では互恵的な関係が可能となる。しかし一方で、中国が大国となった今は、世界に与える影響を踏まえた大局的な行動が求められる。それ無しに安定的な発展はありえない。是非、開かれた国益を考えつつ行動していってほしい」と纏めました。

記事 1日目 全体会議 前半9 陳昊蘇氏(中国人民対外友好協会会長)は、講演の中で北東アジアの歴史的発展過程の観点から、日中関係について語りました。陳氏は、「アジアは人類文明の一番古い舞台で、日中両国は古くから交流してきたが、近代に入り、欧米の植民地主義の前に押される時代が到来した。現在は、そうした状況からの復興の途上にある」「過去一世紀のように、アジアの内部対立で消耗することは避けなければならない」という見解を示しました。そうした中で、「アジアの発展は、アジア相互の互恵・団結・協力の中でもたらされる。鳩山前首相が触れた友愛、東アジア共同体もそうした主張だ。日中両国は、このようなアジアの協力の中で、重要な役割を果たしていくだろう」として、講演を終えました。

 

 以上で2日目の全体会議前半は終了し、会場は休憩に入りました。全体会議後半は、政治対話の一部として行われます。

親カテゴリ: 2010年 第6回
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