. 東京-北京フォーラム 公式サイト - 2013年 第9回

特別分科会

2016年9月27日 (火曜日) 13:30-17:45  ⇒ 報告はこちら

全体テーマ:日中の人的移動は両国関係の新風となれるか
~生活、就労、観光、留学―民間で進む日中台交流の課題と展望
前半テーマ:両国民間で進む人的移動と交流の実態と課題
後半テーマ:日中の人的移動を両国関係の追い風にするための何が必要か

 ※プログラム・パネリストは変更になる場合がございますので、予めご了承ください。
司会

小倉和夫(国際交流基金顧問、元駐フランス・韓国大使)
福本容子(毎日新聞社論説委員)
王惠(北京市政府新聞弁公室元主任、ニューススポークマン)

パネリスト

 
【日本側】

小倉和夫(国際交流基金顧問、元駐フランス・韓国大使)
福本容子(毎日新聞社論説委員)
江川雅子(一橋大学教授)
加藤鮎子(衆議院議員)
杉村美紀(上智大学総合人間科学部教育学科教授)
日野正夫(東日本旅客鉄道株式会社常務取締役、鉄道事業本部副本部長) ※前半のみ
山下晃正(京都府副知事) ※前半のみ

【中国側】

王惠(北京市政府新聞弁公室元主任、ニューススポークマン)
劉江永 (清華大学当代国際関係研究院教授)
羅玉泉 (国家旅遊局駐日首席代表)
李茜(雲南省政府新聞弁公室主任、ニューススポークスマン)
李文麗 (海信日本公司(ハイセンスジャパン)総経理)
段跃中 (日本僑報出版社総編集長)
 

 

 

 言論NPOでは、2005年より毎年、日中の両国民を対象とした共同世論調査を行ってきました。今年は、昨年秋より日中関係が大きく悪化し、首脳会談をはじめ両国政府の協議が未だに再開しない厳しい状況の中、5月から7月にかけて実施しました。今回の調査で、日中関係や相手国への印象が明らかになると同時に、領土問題や歴史問題など日中の抱える課題に対して日中両国民の意識が明らかになっています。  以下、この調査結果について詳しく見ていきたいと思います。  なお、会員の皆さまには、更に詳細な調査結果をお送りいたしますので、今しばらくお待ちください。

調査の概要

 日本の言論NPOと中国日報社は、日中の両国民を対象とした共同世論調査を今年5月から7月にかけて実施した。この調査は、最も日中関係が深刻だった2005年から日中共同で毎年行われているものであり、今回は9回目となる。調査の目的は、日中両国民の相互理解や相互認識の状況やその変化を継続的に把握することにある。

 この調査は2005年から2014年まで10年間継続して実施すること、そして調査結果を「東京-北京フォーラム」の議論の題材として取り上げることで、両国民の間に存在するコミュニケーションや認識のギャップの解消や相互理解の促進のための対話に貢献することを、言論NPOと中国日報社は合意している。

 日本側の世論調査は、全国の18歳以上の男女(高校生を除く)を対象に6月21日から7月12日、訪問留置回収法により実施され、有効回収標本数は1000である。回答者の最終学歴は高校卒が45.5%、短大・高専卒が19.8%、大学卒が20.0%、大学院卒が1.6%だった。

 なお、この調査と別に、言論NPOは有識者へのアンケート調査を世論調査と同じ時期に日本国内で実施した。これまで言論NPOが行った議論活動や調査に参加していただいた国内の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など約2000人に質問状を送付し、うち805人から回答をいただいた。回答者の最終学歴は、大学卒が62.6%、大学院卒が29.8%で合わせて92.4%となる。また、有識者は一般の日本人の傾向とは異なり、78.8%が中国への訪問経験があり、80.0%が、会話ができる中国人の知人を持っている。

 これに対して、中国側の世論調査は、北京、上海、成都、瀋陽、西安の5都市で18歳以上の男女を対象に、6月9日から7月8日の間で実施され、有効回収標本は1540で、調査員による面接聴取法によって行われた。標本の抽出は、上記の5都市から多層式無作為抽出方法により行われている。また、日本側の有識者調査に対応するものとして、中国では北京大学が実施主体となり、学生・教員を対象としたアンケートを6月22日から7月2日の間に、北京大学、清華大学、中国人民大学、国際関係学院、外交学院の学生・教員を対象に行い、802人から回答を得た。また、同時期に会社員、政府関係者、マスコミ関係者などの有識者にも同じアンケートを実施し、200名から回答を得た。これらの回答を合算し、合計で1002人の回答内容を中国有識者として分析した。

 

日中両国に対する印象

日中両国民の相手国に対する印象

 

  今回の調査では、日本人と中国人の相手国に対する印象はともに昨年よりも大幅に悪化し、日本人の中国に対する「良くない印象」は90.1%、中国人の日本に対する「良くない印象」は92.8%と、いずれも9割を超え、過去9回の調査で最悪の状況になっている。特に中国人では、改善の傾向を示した昨年の64.5%から一転して28ポイントと大幅に悪化している。
 
日中両国民の相手国に対する印象

 

相手国に対する印象の理由

 
 日本人が中国に「良くない印象」を持つ最も大きな理由は「尖閣諸島を巡り対立が続いているから」で5割を超え、昨年よりも増加している。その他、「歴史問題などで日本を批判する」、「資源エネルギー、食料の確保などでの中国の自己中心的な行動」などが半数近くで続いている。中国人は「日本が釣魚島、周辺諸島の領土紛争を引き起こし、強硬な態度を取っている」が77.6%で最も多い。「中国を侵略した歴史をきちんと謝罪・反省していない」も63.8%で6割を超えており、昨年(39.9%)を大きく上回っている。日本人が中国に「良い印象」を持つ最も多い理由は、「中国古来の文化や歴史に関心がある」が43.8%と最も多く、中国人が日本に対して「良い印象」を持つ理由としては、「日本の技術は先進的」の58.2%を筆頭に「日本人はまじめで努力家で積極的に仕事をするから」、「日本製品の質が高い」、「戦後にめざましい経済発展を遂げた」が5割近くで並んでいる。
 
良くない印象を持っている理由 日本世論
良くない印象を持っている理由 中国世論

日中間の基礎理解

 

国民間の相互理解は改善したか

 
 日本人が「中国と聞いて思い浮かべるもの」で最も多いのは「中華料理」だが、昨年に引き続き「尖閣諸島問題」が増加し、さらに、新設の「大気汚染」も一定の割合を占めている。また「知っている中国人の政治家」では、「習近平」が5割近くに上昇してきたが、首相の「李克強」は1割未満にとどまっている。
 中国人が「日本について思い浮かべるもの」は、昨年最多の「電器製品」が3位に後退し、「釣魚島」と「南京大虐殺」がいずれも5割を超えた。「知っている日本の歴史上の出来事や事件」では「満州事変、盧溝橋事件、南京大虐殺」を挙げる中国人が9割を超える。日本の戦後の出来事に対する理解は乏しく、今年35周年を迎える「日中平和友好条約の締結」を知っている中国人は2割に届いていない。「知っている日本の政治家」では、安倍晋三首相、麻生太郎副首相が、昨年と比べ大幅に増加している。
 
国民間の相互理解は改善したか

 

両国の「社会、政治体制」についての認識

 
 日本人の7割近くは中国を「社会主義・共産主義」と理解し、「全体主義(一党独裁)」や「軍国主義」が3割台で続いている。一方、中国人で今年最も多かったのは、現在の日本を「覇権主義」とみる人の48.9%で昨年の35.1%から大幅に増加した。また、「軍国主義」とみる人も昨年(46.2%)よりは減少したものの、41.9%と4割を超えている。日本を「平和主義」の国とみる中国人は6.9%しかいない。
 
両国の社会・政治体制のあり方に関して

 

お互いの「国民性」をどう見ているか

 
 日本人の半数程度は、中国人を「勤勉だが、頑固で利己的、非協調的で信用できない」などと見ている。中国人の7割は、日本人は「好戦的で信用できず、利己的」と見ており、半数以上が「怠慢で、頑固で不正直で非協調的」と思っている。両国民ともに相手国への印象の悪化に伴い、国民性に対する評価を全面的に悪化させている。
 

 

日中関係の現在と将来

 

現在と今後の日中関係をどう見るか

 
 日本人の8割、中国人の9割が、現在の日中関係は「悪い」と判断している。いずれも過去9回の調査で最悪の水準である。
 日中関係が今後、改善に向かうとみる日本人、中国人はともに1割程度に過ぎず、むしろさらに悪化するとみる日本人は28.3%と3割、中国人は45.3%と半数近くまで拡大し、今後の日中関係についても悲観的な見方が増えている。
 
現在の日中関係
今後の日中関係

 

今後の日中関係の最大の懸念材料は「領土問題」

 
 日中両国民が考える日中関係の最大の懸念材料は「領土問題」である。
今両国国民が考える日中関係の懸念材料

 

日中関係の重要性をどう見ているか

 
 日中関係を両国にとって「重要」とみる日本人、中国人はともに7割を超えており、両国関係に対するマイナスイメージの増加にもかかわらず、日中関係の重要性については両国民ともに高い評価を維持している。ただし、こうした認識は両国ともにわずかだが減少傾向にある。
 「重要である」理由については、日中ともに「隣国同士だから」が半数を超えて最も多いが、「両国が世界第2位、3位の経済大国」であること、「経済的な相互依存関係を強め、共通利益がある」ことが続いている。
 
日中関係は現在要か

 

日中の協力関係の強化

 
 日本と中国がアジアの課題で協力していくことについては、日中ともに賛成する声が多い。ただ、中国人で、こうした協力に反対する人が3割存在する。協力するべき具体的な分野としては、日本人は「大気汚染などの環境問題」が8割を超え、中国では「東アジアにおける平和維持」が4割でそれぞれ最多となっている。
 
日中の協力関係の強化

 

日中関係と日米、中米関係

 

日中米の関係の重要性と親近感

 
 日本、中国ともに5割を超える国民が、日中と日米関係、中日と中米関係は「同程度に重要」と認識しているが、相手国との関係よりも米国との関係の方をより重要だと回答する人が多く、昨年と比べると米国との関係を重要視する傾向は両国民に強まっており、特に日本人は10ポイント以上増加している。
 日本と中国と米国の3カ国の間の親近感では、日本人の半数以上が「米国により親近感」を感じており、「中国により親近感」を感じるのは5.8%に過ぎない。中国人は「どちらにも親近感を感じない」が最も多く、「米国により親近感」が28.1%で続いている。日本に「より親近感」を感じる人はわずか3.0%に過ぎず、昨年から半減した。
 
日中関係と日米関係

 

民間交流

 

相手国への訪問についての認識

 
 日本、中国ともに約7割の人が「相手国に行きたくない」と答えており、いずれも昨年よりも大幅に増加している
 
相手国へ行きたいか

 

民間交流に関する日中両国民の意識

 
 日本では約6割、中国では約7割の国民が民間レベルでの交流は「重要」だと考えているものの、その割合は昨年よりは減少している。民間レベルの交流が「重要」と回答した人に理由について尋ねたところ、日本人は「相互理解の増進」との回答が、中国人は「共通利益を拡大するための基盤」との回答が多い。
 
民間交流に関する日中両国民の意識

 

ナショナリズム

 

自国のナショナリズムについての認識

 
 自国のナショナリズムの高まりについては、「強まった」と判断する中国人は6割近くいる。日本人では「わからない」が38.2%と最も多く、自覚の薄さが浮き彫りとなっている。
 
自国でナショナリズムが強まったか

 

日中両国の歴史問題

 

歴史問題に関する両国民の意識

 
 日本では「歴史問題は両国関係の発展に伴い徐々に解決する」が減少する反面、「解決は困難」は増加し、悲観論が増えている。
 中国では2005年の調査開始以来「歴史問題は両国関係の発展に伴い徐々に解決する」という楽観論が最多であったが、今年は「歴史問題が解決しなければ両国関係は発展しない」との回答が多くなった。
 歴史問題で解決するべき問題として、6割近い日本人が「中国の反日教育や教科書の内容」と回答している。中国人は「日本が侵略の歴史をきちんと反省・謝罪すること」を筆頭に、「日本が侵略戦争に関する歴史の定説を尊重すること」など歴史認識を問う回答がそれぞれ5割を超えている。自国の政治家の発言など自国の問題を解決すべき課題として選ぶ人も一定数存在しているものの減少している。
 
日中関係と歴史問題

 

首相の靖国神社参拝問題

 
 首相の靖国参拝では日本人は「参拝しても構わない」と容認する人が約5割で最も多く、「私人としての立場なら構わない」を加えると7割を超えている。中国人は、「公私ともに参拝すべきでない」が昨年の調査から大幅に増え今年は62.7%と6割を超えた。「私人としての立場なら構わない」も大幅に減少し、首相の靖国神社参拝に対して厳しい見方が増えている。
 
日本の首相の靖国参拝問題

 

日中首脳会談の必要性

 
 尖閣諸島をめぐり日中関係が悪化して以来、行われていない日中首脳会談の必要性について、日本、中国ともに約6割の人が「必要である」と判断している。ただ、中国には「必要ではない」とする人も4割近くいる。
 
日中首脳会談の必要性

 

日中平和友好条約

 

日中平和友好条約とその現代的な意義

 
 35年前に日本と中国の間で日中平和友好条約が締結されていたことについて、日本人は6割以上が「知っていた」と回答している。しかし、中国人で「知っていた」と回答したのは4割にとどまっており、6割が「知らなかった」と答えている。またこの条約の現代的意義について、日本人は「紛争の平和解決」を求める第一条を重要だと判断する人が多く、中国人は「覇権を確立する試みに反対する」第二条を重要視する人が多い。
 
日中平和友好条約の現代的な意義

 

領土問題

 

尖閣諸島と領土問題

 
 日本人の6割、中国人の8割が、「日中間に領土問題が存在している」と判断している。特に中国人は、この一年間に、そうした認識を持つ人が急増している。
 その解決方法については、日本人では「両国間ですみやかに交渉して平和的解決を目指す」という回答が約5割あり、「国際司法裁判所への提訴」が4割で続いている。
 中国人は「領土を守るため、中国側の実質的なコントロールを強化すべき」、「外交交渉で日本に領土問題の存在を認めさせる」という回答が半数を超えている。
 
日中間に領土問題は存在するか

 

対立の経済への影響

 
 日本人の約7割、中国人の約8割が尖閣諸島をめぐる日本と中国の対立が、両国の経済に影響を及ぼしていると考えている。影響があると回答した日本人の65.1%、中国人の52.4%が、両国経済に悪影響を与えている、と認識している。
 
対立の経済への影響

 

東アジアの軍事的脅威と安全保障

 

日本と中国間での軍事紛争の可能性

 
 日本人は約半数が、「日本と中国の間で軍事紛争は起こらないと思う」と見ているが、中国人の半数以上は日中間で軍事紛争がいずれ起きると思っている。
 これに関連して、「東アジアの安全保障を議論する常設の場が必要」と考えている日本人は半数を超えており、中国人も同様に半数以上が必要と思っている。しかし、その場合に参加する国に関しては見方が分かれている。日本で多いのは「日本」と「中国」と「韓国」の3カ国であるが、中国人は米中の二か国を軸に見方がまとまり始めている。
 
日中間で軍事紛争は起きるか

 

軍事的脅威に関する認識

 
 日本人はこれまで同様に「北朝鮮」に最も強い軍事的な脅威を感じているが、「中国」に対して脅威を感じている人も増加し、6割を超えている。「しばしば日本の領海を侵犯している」ことや、「日中間の尖閣諸島や海洋資源での対立」をその理由に挙げる人は6割を超えている。
 中国人は「米国」に7割を超える強い脅威を感じており、日本が5割で続いている。両国に対する脅威感は昨年よりも上回っている。その理由としては、「侵略戦争に反省や謝罪の念が薄らいでいるから」が69.9%で最も多く、「日本が長期にわたり釣魚島及び周辺諸島を占有し、領土問題の存在を認めないから」が56.6%、「日本の防衛計画大綱が中国を仮想敵国としているから」が47.7%で続いている。
 
軍事的脅威を感じる国・地域

 

世界と日中両国の将来

 

これからの世界の政治をリードしていく国とは

 
 日本人の半数以上がこれからの世界政治をリードするのは「米国」と判断している。「中国」を選ぶ日本人はやや減少しており16.2%に過ぎない。
 中国人は、昨年の調査では世界をリードする国として「米国」が「中国」をリードしていたが、今回は米国が減少することで、米中がほぼ並んでいる。
 
これからの世界政治をリードしていく国や地域

 

日本と中国の2030年はどうなるか

 
 2030年の中国経済について、日本人は「中国経済は順調に成長することすら難しくなり、将来は極めて不透明にある」との見方が29.3%と最も多く、「中国経済の成長は続くが、米国に並ぶのは難しい」が続くなど、中国経済の成長可能性について慎重な見方が広がっている。
 中国人は2030年の日本の国際的な影響力について、「経済大国の地位も影響力も低下する」が33.1%で最も多い。ただ、世界第三位の経済大国の地位や影響力は保持する、という見方も根強い。
 
2030年の相手国

 

世両国の経済関係

 

両国の経済関係について

 
 日中の経済関係では日本人の4割が「win-winの関係を築くことは難しい」とみている。一方で「win-winの関係を築くことができる」は昨年から半減し、今回は2割となった。  中国人は6割近くが日本と「win-winの関係を築くことができる」と見ているが、「win-winの関係を築くことは難しい」との見方も3割ある。  また、今後の日中関係について、「政冷経熱」と「政冷経冷」のどちらの方向に向かうかという点については、日中ともに世論は「政冷経冷」に向かうとの見方が多い。
 
日中の経済関係

 

両国のメディア報道・インターネット世論の評価

 

報道や言論の自由は保障されているのか

 
 日本人の8割が、中国では報道や言論の自由がないか、規制されているとみている。これに対して、「日本の報道は実質的に規制されている」、「報道や言論の自由がない」と認識する中国人が7割存在する。
 
相手国に報道・言論の自由はあるか

 

自国のメディア報道は客観的か

 
 日本のメディアが日中関係に関して、「客観的で公平な報道をしている」とみている日本人は2割強に過ぎない。逆に8割を超える中国人が中日関係に関する自国のメディア報道が「客観的で公平」と思っている。
 
自国のメディア報道は客観的か

 

インターネット上の世論は民意なのか

 
 日本ではインターネット上の世論が民意を適切に反映していると感じる日本人は1割にも満たない。一方、中国人は「反映している」と「反映していない」が4割でほぼ拮抗している。
 
ネット世論は民意を反映しているか

 

両国民の相互理解の背景

 

日中両国民の交流の度合い

 
 両国民の直接交流に「改善傾向」は9年間みられず

 これまで過去8回の世論調査は、日本と中国の両国民間の直接交流がきわめて少なく、相手国に関する認識は、ほとんどを自国のニュースメディアからの間接情報に依存している状況を明らかにしている。9回目となる2013年の世論調査でも、この傾向は基本的に変わっていない。

 

これまでに相手国に行ったことがあるか
 
 日本人の中国についての認識は圧倒的に日本のテレビニュースに依存している

 日本人のうち、「中国への訪問経験がある」と回答した人は14.7%(昨年は16.5%)にすぎない。この状況は2005年に調査を開始して以来、ほとんど変化していない。また「親しい」、「多少話をしたりする」中国人の友人がいる日本人は合わせて20.3%(同19.7%)である。日本人で中国への渡航経験や、中国の知人との交流経験がある人は2割前後で、こうした交流の度合いは、この9回の調査を通じてほとんど変化はない。  また、日本人の中国に関する情報源は95.0%が「日本のニュースメディア」であり、その79.7%が「テレビ」から最も多くの情報を得ている。

 

相手国の国民に知り合いはいるか
 
 中国人の日本人との直接交流の度合いはさらに乏しいが、認識形成において情報源は日本人より多様化している。ニュースの他、ドラマ、映画、出版物も比較的多く利用しており、中国の有識者ではインターネットの利用が圧倒的に多い。

 これに対して中国人の直接交流の度合いは日本人と比べてもさらに乏しい。日本を訪問した経験があると回答した人は全体のわずか2.7%(昨年は1.6%)に過ぎない。また、「親しい」、「多少話をしたりする」日本人の友人がいる中国人も合わせて3.3%(同3.0%)に過ぎず、この9年間に大きな変化がみられない。  ただ、日本人と異なるのは、日本に関する情報源の割合である。89.1%の中国人が「中国のニュースメディア」と回答しているが、この他にも「中国のテレビドラマや映画など」が65.3%、「中国の書籍(教科書を含む)」も36.3%と多く、「日本のニュースメディア」への依存度が高い日本人とは傾向が若干異なり、中国の中で情報源が多様化している。中国人のほとんどが中国の出版物やメディアのニュースのみならず、中国のテレビドラマ、映画を通じて日本に対する印象や認識を形成していることがうかがえる。

 

相手国に関する情報源
 
 
本件調査に関するお問い合わせは下記までお願いいたします 〒103-0027 東京都中央区日本橋1-20-7 認定NPO法人 言論NPO TEL:03-3548-0511 FAX:03-3548-0512 メール:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
カテゴリ: 日中世論調査