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7月3日午前9時より「第8回 東京-北京フォーラム」の全体会議が行われました。前半では、日本側から加藤紘一氏(日中友好協会会長、元内閣官房長官)、山田啓二氏(全国知事会会長、京都府知事)、中国側から葉小文氏(中央社会主文学院党組織書記)、陳昊蘇氏(中国人民対外友好協会会長)が、それぞれ基調講演を行いました。
加藤紘一氏は、日本人が持つ反中国心で大きいものとして、まずGDPで抜かれてしまった点と、それに追い打ちをかけるように尖閣諸島の問題が発生した点を指摘。その上で「1人あたりのGDPで抜いた、抜いていないという話をしても仕方がない」とし、「中国は中国、日本は日本」とそれぞれの文化と伝統を誇ることが大事だと主張しました。最後に、日本が明治維新の際に福沢諭吉が提唱した、「脱亜入欧」に代わる新しい言葉が必要だとも主張しました。
葉小文氏は、石油など大量のエネルギー需要に応えるために軍事力を行使し土地を奪ってきたのがかつての戦争であったが、「中国は今後の発展を内需の拡大によって成し遂げていく」とし、今後も中国は平和的に成長していくと主張。しかし、「どの国にも誤解を大げさにし、恨みを煽り立てて関係を悪化させる過激主義者がおり、これには警戒しなければならない」と指摘。それを防止することで、各国と平和的に発展できるとしました。
山田氏は、統計データを用いて、国家間の交流は進んでいるが、それ以上に地方自治体としての中国との交流の量と質は比べ物にならないほど進んでいると主張。しかし、「交流が進めば進むほど、当然、軋轢や問題も起こるが、それは交流が進んでいる証なのです。それをどうプラスに変えていくのかというカギを地方が持っている」とし、具体的には防災・高齢化介護などのノウハウを共有・共感し、次の10年間の日中の大きな土台とつくっていけると締めくくりました。
陳昊蘇氏は、自身が中日交流を推進してきた立場から、「意見の相違があることは当然であり、交流の場で議論することには非常に意義がある」と本フォーラムの意義を改めて指摘し、さらに「両国人が相手国に関して意見交換ができる友人をつくれれば、両国関係の改善にプラスになる」とし、さらに「中日の若者交流を変えて、さらに若者が興味を持つ形で交流できる形を提案したい」と中日相互理解ができる若者を育てることに貢献したいと主張しました。
その後、コーヒーブレイクに入り、2日の分科会参加者が、分科会で何が議論されたのかを語るパネルディスカッションに移りました。
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