. 東京-北京フォーラム 公式サイト - 2009年開催 第5回

特別分科会

2016年9月27日 (火曜日) 13:30-17:45  ⇒ 報告はこちら

全体テーマ:日中の人的移動は両国関係の新風となれるか
~生活、就労、観光、留学―民間で進む日中台交流の課題と展望
前半テーマ:両国民間で進む人的移動と交流の実態と課題
後半テーマ:日中の人的移動を両国関係の追い風にするための何が必要か

 ※プログラム・パネリストは変更になる場合がございますので、予めご了承ください。
司会

小倉和夫(国際交流基金顧問、元駐フランス・韓国大使)
福本容子(毎日新聞社論説委員)
王惠(北京市政府新聞弁公室元主任、ニューススポークマン)

パネリスト

 
【日本側】

小倉和夫(国際交流基金顧問、元駐フランス・韓国大使)
福本容子(毎日新聞社論説委員)
江川雅子(一橋大学教授)
加藤鮎子(衆議院議員)
杉村美紀(上智大学総合人間科学部教育学科教授)
日野正夫(東日本旅客鉄道株式会社常務取締役、鉄道事業本部副本部長) ※前半のみ
山下晃正(京都府副知事) ※前半のみ

【中国側】

王惠(北京市政府新聞弁公室元主任、ニューススポークマン)
劉江永 (清華大学当代国際関係研究院教授)
羅玉泉 (国家旅遊局駐日首席代表)
李茜(雲南省政府新聞弁公室主任、ニューススポークスマン)
李文麗 (海信日本公司(ハイセンスジャパン)総経理)
段跃中 (日本僑報出版社総編集長)
 

経済対話(前半)①基調報告

小島明氏(日本経済研究センター特別顧問):

 全体テーマそのものとかかわる、非常に重要な分科会だと思う。よろしくおねがいします。
 リーマンショック以来、世界経済は変わった。これまでのブラックマンデー、アジア通貨危機などとの違いを含めて、危機後の世界における協力について議論したい。
 大恐慌以来、はじめてアメリカ中心の金融資本が壊れたという意味で、従来のものと比べて極めて深刻な危機だといえる。危機後の世界がどうなるかについても議論しないと、協力のあり方は出てこない。
 基調報告の後、パネリストのコメント、それから会場質疑に当てたい。

福川伸次氏(財団法人機械産業記念事業財団会長、元通商産業省事務次官):

 実体経済に焦点をあてて意見を述べたいと思います。
1.経済の構造変化に対する認識
 今の経済構造は変化をしており、伝統的なG8の体制では、課題を解決していくには不十分。地球の資源は無限、循環機能は永遠と仮定するシステムは成り立たず、新しい成長モデルが求められている。
 金融優位を越えた成長モデルが必要だ。市場規制が進んでいるが、むしろ市場を基礎におくことが必要だ。

2.日本は技術指向型の国家。中国は成長が著しく、生産が非常に大きい。知的人材も非常に多いので、協力を展開すれば、WinWinの関係を構築できる。

3.両国の課題
 まず、環境と経済の両立が重要。
 鳩山首相の国連演説にもあるように、主要排出国が合意を見出せるよう誘導しなければならない。
 温家宝首相からも、環境と経済の両立という言葉もあった。産業構造、生活スタイルの変革が不可欠だ。
 日本では、産業界が排出削減に努力しているのに加え、技術パラダイムの改革のため、様々な技術開発を行っている。日中間では、省エネルギーフォーラムなどの協力を実践している。今後様々な条件整備を行っていきたい。

 人間価値を充足する経済システムが重要だ。環境はもちろん、生活、安全、文化、都市の改造なども含めて。上海万博のテーマにも期待をしている。
 イノベーションが支える知識構造産業の育成も重要だ。ICT技術が、イノベーションをリードする。
 そして新しい産業が生まれ、文化が生まれていく。
 アジアは急速に成長しており、東アジア共同体については、これからロードマップを描いていくことが重要だということだろう。今、FTAやEPAが推進されているが、並行してASEANも加えた経済統合を進めていきたい。
 アジアの広域インフラ、通信や航空などの整備も必要だ。
 国際公共財の提供に協力していくことも重要だ。平和、非核、自由貿易、通貨体制、そういった国際公共財の提供について、両国は議論を積み重ねていく必要がある。

小島氏:

 課題は非常に多い。日中は協力するしかない。危機は転換でもある。危機後の姿、発展のモデルとなるように政策を組み立てていくことが重要だ。

項兵氏(長江商業学院院長):

 日中は世界の第2、3位を争う経済大国であり、日中は重要な貿易パートナーであると同時に、世界に対して重要な役割を担っている。
 ハイテク技術を持つ日本は世界において低付加価値を与えるもの、環境問題などを技術の力で解決してきた。中国はベンチャーを得意としている。日中が協力すれば世界に大きな貢献ができるだろう。
 そしてイノベーション。
 アメリカの発想法はマイクロソフトやグーグルなどにあらわれているが、イノベーションが優れている。これに比べると中国の経済はまだまだ立ち遅れていると思うので、日本に頼りたい部分も多い。
 環境への対策は重要なテーマです。温暖化ガスの排出削減やニューエネルギーの開発など。日本では地下鉄や新幹線が発達している。車の少ない社会は省エネにつながるので、この面でも協力していきたい。

遅福林氏(中国改革発展研究院院長):

 中国経済は、発展的なモデルに変わっている。GDPを重視しすぎる考え方は終わりにするべきと思う。マクロ経済の調整は、われわれの計画の重要な課題だ。消費主導の発展が進んでいる中国は、もっとも成長力がある国のひとつだと言える。消費の比率は60%くらいに上げることができると思うので、消費を高める余地は大きい。
また、農村の市場があるので、そこに潜在力がある。電化製品などの消費も拡大している。さらに個人的なものから公的な需要に展開している。また、モノから知的なものへの需要にシフトしている。中国は、今後消費力を高めて成長していくだろう。
 いくつかのプランがある。福祉、教育改革などだ。財政改革、投資体制も、消費型に転換させていく。都市部の発展の加速も重要だ。
5カ年計画では、都市部の比率はさらに高まることになっている。都市部と農村の一体化の動きがあり、これは都市化につながる。この経済への好影響がそのうちあらわれてくるだろう。消費・投資に繋がるだろう。
 それから、都市農村における、公共的財サービスの提供も急がれる。公的な消費の欠乏が目立ってきている。これらが消費構造の改善につながっていくだろう。
中国では、公的保障に関する費用は急速に成長しており、関連して、大規模な投資が打たれる予定である。
 もう一つ、低カーボン経済の発展も重要なポイントである。環境技術などもあるが、重要なのが人々の認識と改革。環境に関する知的所有権の形成、温暖化排出権に関する形成、エネルギー価格の形成という、4つの資源価格の形成が求められているのではないか。
 こうして、中国は新しい経済構造、成長のモデルを探している。次の5カ年計画は、中国にとり重要なターニングポイントになるだろう。また中日間にも、新しいモデルが必要だろう。

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