. 東京-北京フォーラム 公式サイト - 2008年開催 第4回

特別分科会

2016年9月27日 (火曜日) 13:30-17:45  ⇒ 報告はこちら

全体テーマ:日中の人的移動は両国関係の新風となれるか
~生活、就労、観光、留学―民間で進む日中台交流の課題と展望
前半テーマ:両国民間で進む人的移動と交流の実態と課題
後半テーマ:日中の人的移動を両国関係の追い風にするための何が必要か

 ※プログラム・パネリストは変更になる場合がございますので、予めご了承ください。
司会

小倉和夫(国際交流基金顧問、元駐フランス・韓国大使)
福本容子(毎日新聞社論説委員)
王惠(北京市政府新聞弁公室元主任、ニューススポークマン)

パネリスト

 
【日本側】

小倉和夫(国際交流基金顧問、元駐フランス・韓国大使)
福本容子(毎日新聞社論説委員)
江川雅子(一橋大学教授)
加藤鮎子(衆議院議員)
杉村美紀(上智大学総合人間科学部教育学科教授)
日野正夫(東日本旅客鉄道株式会社常務取締役、鉄道事業本部副本部長) ※前半のみ
山下晃正(京都府副知事) ※前半のみ

【中国側】

王惠(北京市政府新聞弁公室元主任、ニューススポークマン)
劉江永 (清華大学当代国際関係研究院教授)
羅玉泉 (国家旅遊局駐日首席代表)
李茜(雲南省政府新聞弁公室主任、ニューススポークスマン)
李文麗 (海信日本公司(ハイセンスジャパン)総経理)
段跃中 (日本僑報出版社総編集長)
 

分科会:メディア対話

 

分科会メディア対話1

 2008年9月17日午後、東京の椿山荘で行われた東京-北京フォーラムで、メディア対話分科会が行われました。世論調査の結果の内容に基づいて、日中関係の現状や、相互理解上の問題点について、幅広く議論を行う前半は、日本の司会を添谷芳秀氏、中国の司会を馬為公氏、日本の基調報告を工藤泰志氏、中国の基調報告を程曼麗氏、日本側パネリストは会田弘継氏、小倉和夫氏、下村満子氏、高原明生氏を、中国側パネリストは黄星原氏、劉北憲氏、劉洪才氏を招き、議論が行われました。

 まず、初めに工藤氏より、日本の世論調査の結果について、基調報告がありました。

 日本人のうち中国への訪問経験がある人は15.4%(昨年は13.5%)で、中国人で日本を訪問した経験がある人はわずか0.4%(昨年は1.1%)しかない。また多少話ができたり、親しい中国人の友人がいる日本人は16.3%(昨年は15.4%)で、同じくそういう日本人の知人がいる中国人は5.4%(昨年は7.0%)である。

 直接交流の経験が少ない両国民は結局、間接情報に依存するしかない。両国民の相手国に対する情報源は、日本人の96.1%、中国人の91.5%が「自国のニュースメディア」と回答している。メディアの中では両国民ともテレビメディアを最も多く挙げている。

 相手国について思い浮かべることとして、日本人は中国について、中華料理、万里の長城のほか、今年の特徴として北京オリンピックが挙げられた。中国人は日本について、桜、電気製品が挙げられ、例年とおりだが、今年は南京大虐殺が一番に上がっている。何故、これが浮上してきたのか原因を探りたいところである。

 日本人の中国に対する印象は、「どちらかといえば良くない印象」が60.8%(昨年は57.6%)で、「良くない印象」は14.8%(昨年は8.7%)と前年と比較して悪化している。その理由として最も多いのは中国の「資源やエネルギー、食料の確保の行動で自己中心的に見えるから」の56.3%で、「歴史問題などで日本を批判するから」(48.3%)と、「中国人の愛国的な行動や考えが理解できないから」(41.9%)が続いた。

 日中関係の発展を阻害するものとして日本人が考える項目は「歴史問題」が53.9%で最も多く、続いて「中国産品の安全性の問題」が46.2%、「領土紛争」が37.3%で続いている。世論調査が行われた今年6月前にはチベット問題や聖火リレーが論議を呼んだが、その際に話題となった人権問題は4.4%、「中国国民のナショナリズム」は5.7%にとどまった。一般の日本人は「中国産品の安全性の問題」への反応が大きいが、日本の有識者で「中国産品の問題」を挙げた人は17.0%に過ぎない。

 有識者に多いのは「歴史問題」の50.0%、「中国国民の反日感情や行動、中国政府の姿勢」の39.3%、「領土紛争」の36.5%と続き、「中国国民のナショナリズム」を挙げた人も26.0%いる。中国人が挙げるのは、「歴史問題」が71.8%と突出して多く、二番目の「領土紛争」は33.6%とかなりの差が開いている。中国の大学生では「歴史問題」(73.6%)と「領土紛争」(70.6%)が並んでいる。

 このように、日本の対中認識の悪化は、日本の多くの一般的市民にとっては、日中関係の問題というより、「食の安全」という身近な生活上の問題としてとらえていることが明らかとなった。

 次に、程氏より、中国の世論調査の結果について、基調報告がありました。

分科会メディア対話2 現在の両国関係について、「どちらかといえば悪い」と「非常に悪い」と感じている人は合わせて約13%と、昨年度の約25%より減少し、「どちらかといえば良い」と「非常に良い」という印象を持っている人は約60%となり、昨年度の25%から大きく増加した。その要因としては、胡錦濤国家主席の訪日や、東シナ海の資源問題の戦略的関係が推進されたこと、さらには、四川大地震の支援などが大きな影響を与えている。

 この一年間の日中関係の現状を、中国の市民はどう考えているかについて、2005年2006年では普通・良くないという回答が高かったが、2007年に入って前年より改善した。さらに、2008年では、75%の市民、76%の学生が、良くなったと回答した。中日関係の現状は肯定的だが、関係を阻害するものとして、歴史問題や経済摩擦などが挙げられている。

 今後の日中関係については、「良くなっていく」が8.9%、「どちらかといえば良くなっていく」が72.1%と、合わせて80%となり、「悪くなっていく」が0.1%、「どちらかといえば悪くなっていく」が2.8%と楽観的な傾向が見られた。

 両国の経済関係については、約63%が「中日は、両者ともにメリットのある良好な関係を築いている」と答えたのに対し、約10%が「中日間の競争が拡大し、お互いが脅威になっている」と答え、両国はよい互恵関係を構築できていると答えた人が多かった。

 情報源については、中国のニュースメディアが91.5%であり、その中ではテレビ・新聞・雑誌が90%を超えていた。そして、学生・市民のほとんどが「日本に行ったことが無い」状況で、「日本人の知り合いがいない」という回答がほとんどであった。日本に関する情報源として、実際の接触はほとんど無いため、メディアが重要な役割を果たしているといえる。

 工藤、程、両氏の基調報告を受けて、添谷氏は1つ問題提起を行いました。

 「食の安全の問題がこの1年の日中関係に与えた影響を議論したい。一昨年・去年をみると、日中関係について、中国はよくなったとする人が多い。しかし、日本は、「非常に良くなった」と「どちらかといえば良くなった」と答えたのが合わせて10%しかいない。「非常に悪くなった」と「どちらかといえば悪くなった」と答えた人が合わせて約44%まで増えている。これは、中国の食の問題が影響を与えていると考えられる。」

 これに対し、馬氏は

「食の問題というのは、中国の国民にとっても重要な事件であると考えている。日本の餃子に毒が入っていることが明らかとなって、それが毎日毎日報道されるというメディアの関与の仕方によって、マイナスの印象を日本国民に植え付けてしまった。」

と指摘したのに対し、小倉氏は、

「極点に言えば、これは、日中関係の問題ではない。日本でも吉兆や赤福など様々な問題が印象深く残っていたため、消費者行政に対する体制への不信があった。しかもそれは、日本の消費者行政と同時に中国の消費者行政に対する不信であった。これを、日中関係の問題として捉えてしまったのが、マスコミの問題であった。」

と指摘しました。

 続いて添谷氏は2つ目の問題提起を行いました。

 「中国の対日認識として、多い順から軍国主義・資本主義・民族主義・国家主義となっている。これはどう考えても、日本の実態とはかけ離れている。このような認識をつくるメディアの報道のあり方は問題であるといわざるを得ないのではないだろうか。この点について、議論をしたい。」

 このようなメディアの報道による認識のギャップについて、劉氏は、次のように指摘しました。

「両国のメディアが報道するとき、商業に走りすぎること、感情に流されすぎる、単純化して物事を報じようとする、という傾向がある。その解決方法として、まず、相互の信頼を深めていくこと、2つ目にたくさんのチャンネルで交流を行うこと、3つ目に、共同の利益を見つけて双方とも協力しあうこと、4つ目に、政治における共通の認識を民間における共通認識にしておくことが重要である。」

 相互の違いを理解したうえで、相互の信頼関係を築いていこう提言を受けて、高原氏は、

「メディアは相互理解を増進すると同時に、相互誤解を増幅する側面を持っているため、事実の間違いがあった場合、メディア間で指摘して訂正する、オンブズマン的な仕組みが必要だ。さらに相手の国民の間で常識となっているような情報については、自国に伝えたり共有しなければならない。」

と認識の差を埋める方法について、提案しました。

分科会メディア対話3 最後に添谷氏が

「また、日中の双方が、両国関係は重要であると思っていることは、とても重要なことである。さらに、関心のある国という設問で、中国は日本を選択した人が44.2%と1位のアメリカに次いで2位であった。日本は、中国を選択した人が59.8%とアメリカに次いで2位となっている。これだけ両国関心を持ち合っているというのは、悪循環を好循環に変える土壌があるということである。」

「日中メディアは相互理解を促進するよりも、相互誤解を増進してしまっているのではないか。このように、私は2年前も高原さんと同じことを言った。今回のパネリストの議論の中では、相互理解を進めるためにメディアの役割が極めて重要な役割を担っているという共通認識が得られ、明らかに悪循環を避け、好循環がはじまったといえる。」と締めくくりました。

 前半の議論を受けて、両国のメディア関係者が、報道の在り方やメディアの役割と責任について議論を行う後半は、日本の司会を加藤青延氏、中国の司会を馬為 公氏が務め、日本側パネリストは前半司会者の添谷芳秀氏、浅海伸夫氏、木村伊量氏、山田孝男氏を、中国側パネリストは劉江氏、呉長生氏、胡俊凱氏、陳彤氏 を招き、議論が行われました。

 まず、前半司会の添谷氏、馬氏から前半の議論の振り返りがあった後、両国のメディア関係者や有識者が議論を行いました。

 まず前半の日本側司会の添谷氏は、世論調査をもとに意見を述べました。まず、中国の対日の印象が改善している一方、日本の対中認識が悪化しているのは、餃 子事件など食の安全の問題の影響が大きいとしたうえで、中国は政治的意図で幕引きしようとしたが、日本にとっては身近な生活の問題であったこと、両者の扱 いに溝があり、それが日本人の不信感を招き、結果的に対中国の印象が悪化したのではないかと述べました。また中国の国民は依然として日本について軍国主義 であるとの認識が強いことを指摘しました。そして、お互いに相手の情報を自国メディアから得ていることを踏まえるとこれらの世論形成に対する影響は大き く、したがって、本セッションではメディアの果たしている役割、責任をどうとらえるか議論したいと述べました。 

 また、中国側は日本の報道がステレオタイプのようだと指摘し、日本側は中国の報道が統制されているという点を指摘しているが、双方とも問題を認識しつつも好循環に向かっていくための相互理解・相互対話が重要であると共有したとしました。

 中国側司会の馬氏は、前半の議論での「理解」と「誤解」について、理解を深めて誤解を取り除き、悪循環を好循環に変えてゆくにはどうするか、メディアの役割を議論したいと述べました。

 次に、日本側司会の加藤氏より、両国の国民の9割以上がメディアから情報を得ていることを踏まえ、メディアの役割をどう考えているか、また日本のメディアについてどう思っているのか、と中国側へ問題提起がなされました。

 まず新華社の劉氏は、この二年間、相互理解増進のため対日報道を強化してきたと述べました。日本についての報道、中日関係についての報道の量を増やし、情 報の正確性・客観性について強化して積極的に世論に訴える報道をした。また、昨今では科学技術や文化について力を入れて報道した。四川の大地震などについ てもタイムリーにフォローしており、中国の報道も変化・進化していると述べました。

 しかし結論として、報道についてはその絶対的な量が不足しており、またもっと幅広い分野を報道しなければならない、さらに商業化・コマーシャル化の影響を受けないようにしなければならないと述べました。

 人民日報の呉氏は、社会制度などの違いはあるが、まず日中両国の共通部分を探し、相互理解を深めることが必要だとしたうえで、中国メディアの責任として、 以下の二つを上げました。第一に、今までの公正さに欠けた報道が中国の印象を変えてしまったこと。第二に、朝鮮日報の記事に見られるように(注)、一般の 人がメディアの報道に疑問を感じていること。同氏は、こうした過去の現実を見て、メディアが責任を果たしていなかった部分があったのではないか、積極的に 誤解を解消し、理解を深める役割がメディアにはあるとしました。一方で、日本国内の刑事事件に関する大げさな報道からは、戦争時代の日本を想起させてしま う可能性がある。日中関係は改善したけれど、基礎はまだ薄弱であり、転換期であるので、メディアの積極的報道が必要としました。

(注)韓国の一般市民が、「韓国国内で報道されているような中国人の嫌韓感情は、現地ではまったく感じなかった。メディア報道は本当に正しいのか。」と問いかける記事が朝鮮日報に掲載されたことを指したものです。

 また、胡氏は、2008年は地震やオリンピック、新疆のテロ事件、中日のリーダーの訪問などメディアにとって大きな年だったとしたうえで、中国メディアには以下のような特徴があると述べました。第一に、どの事件もリアルタイムに、遅らせることなく報道すること。

 第二に、十分に透明化するということ。第三に、メディアの社会責任を強調するようになったこと。第四に、公正な、バランスのとれた客観的な報道をしていること。責任という時には、これらの特徴を見てほしいと述べました。

 さらに新浪の陳氏は、中国での情報源としてのネットメディアの影響力が大変大きくなっているとし、この種の媒体が日中関係の改善にも大きく貢献していると 述べました。一方で、ネットメディアは影響力が大きい一方で、未整備な点もあり、客観的なルールある報道に努める必要があると述べました。

 次に日本側パネリストの浅海氏から次のような説明がありました。今年は様々なニュースがあり、日本では胡錦濤氏の来日がそれらに埋もれてしまった。中国で 対日イメージが好転したというのは国家主席の来日の影響ではないかと思うが、日本は餃子問題も解決の見通しがなく、主席の来日にもあまり関心がなかった。 中国は8割が訪日に成果があったと回答しているが、日本は2割程度と認識が全く異なっているというのは、双方に相当の温度差があったといえるとしました。 一方で、胡錦濤氏は来日の際に日本の戦後の世界への安全と貢献を評価すると述べたが、日本のメディアは餃子やガス田に隠れて、こうした中国の重要な外交方 針の報道が不足していると指摘しました。

 また木村氏は、日本側も中国メディアも多様化しているという前提で話をしなければならないが、一方で、責任という点ではまだ双方に溝があると指摘しまし た。さらに、共同世論調査で見られるように、お互いの認識が一年で急変するということは、日中の基礎がまだ不安定であり、何かあれば急に悪化しかねない。 まず、相手を深く、正しく、広く知ることがメディアの役割だと述べました。

 さらに、メディアの在り方は基本的には公益であるが、中国は国益がまずあって、その中に公益があるように感じる、と指摘しました。

 山田氏は、世論調査に基づき、中国側に質問を投じました。すなわち、対日認識イメージトップが軍国主義なのはなぜか、また世論調査の前提として世論が制約されている中で世論調査ができるのか。政府の意向に左右されるのではないか、という点です。

 また添谷氏は、日中両国政府が「世論の人質になる」、つまり外交政策が世論の制約を強く受ける状況にあり、これが日中関係が悪循環に陥りやすい重要な背景ではないかと指摘しました。

 次に司会の加藤氏が、日本側パネリストから埋めがたい溝があると指摘されていることについて、中国側パネリストに意見を問いかけました。

 劉氏は、まず木村氏の質問に対して、国益は全体をカバーする最大の利益であり、公益はその中の一部の利益であって、対立するものではない。中国は公益を考 えていないわけではないと述べました。また、日本はイラクでの人質事件の際に、最初は同情的な報道をしていたが徐々に世論と同調して批判的な報道になった と述べ、日本でも国の利益を優先した報道をするとの指摘も、中国側にあると反論しました。

 また軍国主義の質問に対しては、歴史的な問題や日本の右翼的活動に言及した上で、世論調査で中国国民の46%が日本を軍国主義だと思っている一方で、日本側も39%が中国を軍国主義だと思っている点に触れ、その理由を聞きたいと述べました。

 また司会の馬氏は、四川地震の際の日本のレスキュー隊の報道が日本に対する印象を好転させた一方で、世論調査の結果で軍国主義という声が多かったことについては、中国メディアがそうした報道をしていない以上、何か原因があるはずだと述べました。

 次に日本側司会の加藤氏が、日本の世論が中国側を軍国主義と思っていることについてどう考えるか、日本側パネリストに問いかけました。

 これに対し、浅海氏は、一部には日本でも軍国主義を望む人がいるが、日本人のほとんどは全くそういうことは無い。中国を軍国主義と思う人が多いことについ ては、中国の軍事費の増大や、領海侵犯などに対して日本国民が厳しく評価しているということであり、できる限り軍事費の透明度を上げるよう、中国メディア も報道してほしいと述べました。

 木村氏からは、五輪報道において、中国国民のナショナリズムをあおるような報道を自粛するようなお達しが政府からあったことについて、中国メディアはどう考えているのかと、質問が投じられました。

 これに対し陳氏は、たとえばオリンピックのオープニングセレモニーについて、良くなかったとする意見も多くあり、北京オリンピックで報道規制があったとい うのは偏った見方だと指摘しました。また司会の馬氏からは、完全な自由ということではなく、状況に合わせた報道が必要だとの意見が出されました。

 さらに、呉氏は、いまの中国のメディア報道がベストであるとは思っていないが、1978年の改革解放以来、中国は進歩を続けていること。また中国はまだ発展途上国であり、発展の過程にあることを見てほしいと述べました。

 劉氏は、事実・世論・価値観この3種類について留意し正しい報道をすること、また両国のメディアも互いの報道について理解を深めることが必要だと述べました。さらに、餃子事件の問題について、事実がはっきりするまでメディアは関与すべきでないとしました。

 これに対し日本側司会の加藤氏は、日本は事実がはっきりするまで報道しないということは決してできないと反論しました。しかし、それでもなお、お互いの立場を理解し、悪循環を克服して好循環にしていく道筋が見えた、意義のある討論だったと述べました。

 中国側司会の馬氏も、全ての意見が一致したわけではないけれど、自分もメディアの一員として、日本の方々とともにメディアの責任を負っていきたいとしました。

 最後に前半の司会の添谷氏が、これまでの議論を通じて浮かび上がった日中の溝について指摘しました。添谷氏は、餃子事件の対応に関して日本と中国のメディ アの基本的な考え方の違いを見出せることを指摘しました。すなわち、この事件について、「世論を正しく導かねばならない」と中国側が考えるのに対し、日本 は事件を即効で報道するべきであると考える点である。たしかに、日本のメディア報道は、結論が出ていないものを決めつけ過ぎるために、世論を誤った方向へ 導いたのかもしれない。しかし他方で、日本のメディアには世論を「導く」という意識は全く無いこと、世論は市民が作るものであり、メディアはその材料を提 供するのが本来の仕事であるという自覚があると指摘しました。特に餃子事件に関して日本の報道はは中国側に原因であるという決めつけの報道はしておらず、 事件に関する情報を即効で伝えようとした結果、世論がそのように形成されていったのではないかと述べました。そして、今後日中間で相互理解を深め、こうし た誤解を解いていくことが大切だとして、本会を締めくくりました。

親カテゴリ: 2008年 第4回
カテゴリ: 記事