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第8回 東京‐北京フォーラムをお手伝い頂いた方々より、感想をお寄せいただきました。
速記担当者として、外交の最前線で活躍してきた日中両国の政治家の話を直接聞けたのは、普段から新聞などを読んで両国の"思惑"を目にしている自分にとっては非常にいい機会になりました。政治家ならではの視点や懸念点、そして大局に立って物事を考えるといったような新たな視点の発見のみならず、自分がずっと疑問に感じていたことに対する答えも見つかったような気がします。
両国の間に問題は存在する。しかしながら、それらの小さな問題によって、両国が築いてきた大きな信頼関係までも壊してはならない。分科会で感じられたこうしたメッセージを正確に受け取り、お互いのことを快く思わない人が増えているという調査結果もある中で、我々の世代がこれからの両国関係、そしてこれからの社会を作っていかなければならないのだと感じました。
Youth for 3.11 慶應義塾大学3年 斎藤 颯
2012.7.23.
今回は非常に重要かつ生産性のある対話が行われていたのではないかと考えます。理由として、以下の2点が挙げられます。
一点目は、日中両国にとって、今年は国交正常化40周年という記念すべき年であることです。両国の有識者間で、戦略的互恵関係の深化について対話が行われました。常に大局を把握し密な関係を築くことのみならず、国民レベルでの友好を促進していかなければならないという意見で一致したことが印象的でした。
二点目は、尖閣諸島における領土問題を取り上げたことにあります。今回から、統計データに領土問題についての項目が入りました。世論という観点からこの問題について日中間で議論されたことは、とても貴重であると言えるのではないでしょうか。
日中関係は悪化しているにも関わらず、両国の要人がこれほどまでに介し、かつ聴取者も巻き込んで問題を話し合うという機会は、一参加者として感慨深いものがありました。分科会では、理性的かつポジティブで、提起された問題解決が前進するような対話が交わされていました。このフォーラムがこれからも継続的に開催されることを期待しています。
(ここからは余談です)
中国人参加者が多く、日本人の参加者があまり見られなかったことは残念でした。日本の政局が激動の時であったことは承知の上ですが、日本人として少し申し訳ない気持ちになりました。
このフォーラムは、政治関係者だけでなく、学生にも大きな収穫を与えてくれる場です。データに基づいた両国関係の知見や、各国の登壇者によるスピーチは大変興味深いものでした。正直なところ、私は日中外交についての知識はほとんどありません。しかしながら、得るものは大変大きく、問題意識、そして自分なりの意見を持つ良い機会となりました。少しでも興味がおありでしたら、参加してみることをお勧めします。
ありがとうございました。
大沢 理紗 (専修大学/Youth for 3.11)
今年は日中国交正常化から40年の節目に開催されたこの東京—北京フォーラムに参加させて頂き貴重な体験をありがとうございました。速記をさせて頂いたのが「地方対話」であり、両国の地方トップの方々が地域経済連携と災害復興に関して地方レベルに落とし込んで話し合う場所でした。私たちの活動に関わってくる災害復興に関して中国で大きな災害があった四川の事、また今回の東日本大震災の復興を地方トップの口から語られる事を直接聞き、その言葉1つ1つを文字に起こすことで理解を深める事が出来ました。
この節目の年に両国の地方トップが話していたように災害大国である両国が国家間レベルではなく地方間レベルで友好関係を築き助け合っていける事を願って。
田島将大 (大阪大学大学院/Youth for 3.11)
Youth for 3.11 放送大学 内山丈寛
このボランティアを通じて公共外交というものの一端を知り、分科会でそのリアルさを感じました。パネリストが両国の重要人物ばかりで、議論の内容が濃く熱い、このフォーラムの意義はとても大きいと思います。私は日中関係、政治や外交や安全保障についての知識が豊富な方とは言えませんが、対話という形式ゆえ、日中両方の考え方やその背景にある歴史の出来事が頭に入りやすく、日中関係に対する理解を十分に深めることができました。私はコンテンツ班に配属され安全保障の分科会を担当しましたが、ホームページに掲載するためのサマリーを作成することによって、対話の理解が促進されたように感じました。また、私は2日間ボランティアをさせていただいたので、ボランティア2日目の報告やパネルディスカッションの内容がより深く理解できたように思います。これからボランティアをされる方には、1日だけでなくフォーラムの全体を通して参加をし、対話の全体の流れを聞くことをおすすめします。
「友好」ではなく「対話」のための場。議論の中と「東京コンセンサス」で言われたように、今後は「対話」だけでなく具体的なステップ組みや行動に進んでいくことを期待します。
学生の立場でこのような場に立ち会えたことは、自身にとってもとても貴重な体験でした。学生にとって日中関係において様々な課題があることは認識し、日々の勉学においても意識しています。しかし、その課題に対して実際に取り組んでいる一線の方々の「対話」を聞くことで、その裏にある想いやどうやってそれが実行に移されているかを知る貴重な機会になりました。
また、意識調査で多角的に課題を浮き彫りにし、そこから実行へのプロセスを議論している場は、今後の日本社会や世界を担っていく一員としてとても興味深かったです。それが容易でないことを目の当たりにし、認識したうえで、この経験を将来の糧にしていこうと思いました。
島田悠司 (慶應大学大学院/Youth for 3.11)
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