.
言論NPO(代表 工藤泰志)と中国日報社は、今回で5回目となる日中共同の世論調査を実施し、調査結果の内容を26日北京で公表した。
調査では、 両国民ともに相手国に対する好感度については未だにマイナスの印象を持っている人の割合が多く、半数の中国人が日本を未だに「軍国主義」と見るなど、お互いの国に関する基本的な理解も不足している、ことが明らかになった。ただ、両国民ともに直接的な交流はごく少なく、それぞれの認識を自国のメディア情報に依存している構造は変わっていない。
また、日中関係に関しては、「重要」と考える人が8割を超える高い水準を維持しており、現在の日中関係についても中国では「良い」と考える人が多く、日本では、「どちらとも言えない」と現状を判断できない人が多いが、改善傾向は続いている。
今後の日中関係に関しては両国民ともに楽観的な見方が多いが、日米関係と米中関係との比較では両国民ともに「どちらも重要」との判断が多く、近年の首脳会談については「具体的な成果がなく評価ができない」とする見方がそれぞれ4割程度ある。
中国の経済発展に関しては、将来は中国が「米国と並ぶ大国になり、影響力を競い合う」、または「米国を追い抜く」と見ている人は両国でそれぞれ5割を超えており、日本ではこうした中国の経済発展を「日本にとってもメリットであり必要」だと考える人が増えている。
この共同世論調査は、日中両国民の相互理解や相互認識を継続的に把握することを目的として、2005年から日中共同で毎年行われているものであり、今回も日中の両国民を対象として今年5月から6月にかけて実施したものである。この調査結果は、毎年、日本と中国で行なわれる「東京-北京フォーラム」の議論の題材として取り上げることになっており、議論を通じて、両国民の間に存在するコミュニケーションや認識のギャップの解消や相互理解の促進に貢献することを、言論NPOと中国日報社は合意している。
日本側の世論調査は、日本全国の18歳以上の男女(高校生を除く)を対象に5月19日から6月17日まで、訪問留置回収法により実施された。有効回収標本数は1000である。
なお、この調査と別に、言論NPOは日本有識者調査を世論調査と同じ時期に実施した。これまで言論NPOが行った議論活動や調査に参加していただいた国内 の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など2000人に質問状を送付し、うち500人から回答をいただいた。回答者の最終学歴は、大学卒が 72.0%、大学院卒が21.0%で合わせて93.0%となる。これらは日本社会の平均的なインテリ層の姿を表していると考え、これらの意見と世論調査の 結果を比較することで、一般的な日本人のイメージを補完しようと考えた。
なお、世論調査では、回答者の最終学歴は高校卒が48.8%、短大・高専卒が19.8%、大学卒が18.4%、大学院卒が1.6%だった。
中国側の世論調査は、北京、上海、成都、瀋陽、西安の5都市で18歳以上の男女を対象に、6月10日から6月30日まで実施され、有効回収標本は 1589、調査員による面接聴取法によって行われた。標本の抽出は、上記の5都市から無作為に調査世帯を選ぶ多層式無作為抽出方法がとられた。
また、日本側の有識者調査に対応するものとして、中国では北京大学が実施主体となり、学生を対象としたアンケートを毎年実施している。6月10日から6月 21日の間に、北京大学、清華大学、中国人民大学、国際関係学院、外交学院の学生を対象に行われ、1008人から回答を得た。
これまでの4回の世論調査は、両国民間に相手国民との直接交流が極めて少なく、相手国に関する認識は、ほとんどを自国のニュースメディアからの情報に依存しているという状況を浮かび上がらせている。
5回目となる2009年の世論調査も、この傾向は基本的に変化していない。日本人のうち、中国への訪問経験があると回答した人は14.5%(昨年は15.4%)であり、中国人で日本への訪問経験のある人はわずか0.9%(昨年は0.4%)にすぎない。
また、「親しい」友人・知人や、「多少話をしたりする」中国人の友人・知人がいる日本人は合わせて16.4%(昨年は16.3%)、同じような日本人の友人・知人を持つ中国人は5.1%(昨年は5.4%)とそれぞれ少なく、この傾向は昨年と比べてもそう変化がない。
国民間の直接の交流がこのように乏しい状況が続く中で、相手国に関する情報源は、日本人の92.5%、中国人の93.0%が「自国のニュースメディア」に依存している。つまり、互いの国や国民に関する認識は、相手国への訪問や相手国民との会話といった直接情報ではなく、自国のメディア情報などの間接情報をもとに形成されている。
自国のニュースメディアを活用すると答えた人の中では、両国民ともにテレビメディアを最も多く利用しているとの回答が多いが、同時に行なった調査では日本の有識者は新聞、中国の大学生ではインターネットを最も多く活用している。
日本人の中国に対する印象は、「どちらかといえば良くない印象を持っている」が62.7%(昨年は60.8%)と昨年同様に最も多く、「良くない印象を持っている」の10.5%(昨年は14.8%)を加えると、合わせて73.2%となる。こうした傾向は一昨年の66.3%と比べると、昨年(75.6%)から顕著になっており、今年の調査でも目立った改善は見られない。
「印象が良くない」あるいは「どちらかといえば良くない」と回答した人は「食品の安全の問題などで見られた中国政府の対応に疑問があるから」(81.0%)を最も大きな理由に挙げており、次いで「歴史問題などで日本を批判するから」が41.8%、「資源やエネルギー、食料の確保などの行動が自己中心的に見えるから」の35.9%が上位に並んでいる。
この一年間の印象の変化でも、「特に変化していない」の63.8%(昨年は45.6%)と最も多く、日本国内では対中イメージの改善がこの一年間で進んでいないことが分かる。
これに対して、中国人の日本に対する印象も、「どちらかといえば良くない印象を持っている」が35.6%(昨年は36.0%)、「良くない印象を持ってい る」が29.6%(昨年は4.6%)となり、日本に対してマイナスの印象を持っている人は6割を超えている。
中国側では、選択肢を今回、日本側に合わせたことにより、昨年まであった「普通」(昨年は30.8%)という選択肢が今回は削除されたことで、昨年との対 比は難しいが、今年の調査だけを見れば、日本に対してマイナスの印象を持っている中国人はプラスの印象を持っている人の二倍を超えている。
その理由としては、「過去に戦争をしたことがあるから」が73.2%(昨年は70.7%)で最も多く、次に「歴史問題が解決されていないから」が 56.8%(昨年は50.9%)と、中国人の対日イメージには、依然として日本との過去が大きく影響していることが分かる。
この一年間の印象の変化を見ると、「特に変化していない」が59.8%(昨年は33.5%)が最も多いが、「どちらかといえば良くなった」が30.0%と、昨年の54.3%から大きく減少している。
日本人の中国に関する基本的な理解の状況には、大きな変化は見られなかった。
「中国と聞いて何を連想するか」という問に対して、最も多かった回答は「中華料理」の52.0%(昨年は46.2%)であり、以下、「万里の長城」37.9%(昨年は35.2%)と「安価な日用品」が25.0%(昨年は24.6%)が上位に並んでいる。
こうした日本側の理解は、昨年の調査で二番目に多かった「北京五輪」が今回減少したことを除けば、今回の調査でも大きな変化はない。今回新しく選択肢に入った「黄砂」は20.3%である。
「知っている中国の歴史上の出来事や事件」では、今回新たに設けた「北京五輪」が91.7%で最も多く、次に多かったのは「天安門事件」の72.2%(昨年は77.5%)で、「香港返還」が62.5%(昨年は66.5%)で続いている。
「知っている中国の政治家」でも依然として「毛沢東」氏が92.6%(昨年は92.1%)と最も多く、次いで「胡錦濤」氏は69.7%(昨年は81.3%)となった。
また、日本人の73.8%が中国を「社会主義・共産主義」と見ており(昨年は75.0%)、少し差があるが、「軍国主義」が31.0%、「全体主義」が30.3%と並んでいる。
これに対して、中国人の日本に関する理解では、「日本と聞いて連想するもの」として最も多いのは昨年と同じく「南京虐殺」の65.3%(昨年は62.2%)で、「電器製品」の50.5%(昨年は51.3%)や「桜」の36.1%(昨年は38.0%)、富士山の24.7%を上回った。
なお、今回新たに「マンガ・アニメ」という選択肢を設けたが、世論調査では8.2%にとどまったのに対し、学生では40.2%となった。
日本の歴史に関する知識では、「満州事変(柳条湖事件)や中日戦争」が86.2%と最も多く(昨年は84.7%)、第二位は「米国の広島・長崎への原爆投下」の39.8%であったが、昨年の51.2%から大きく減少した。
「知っている日本の政治家」では、「小泉純一郎」氏が64.4%で引き続きトップとなり(昨年は67.7%)、「麻生太郎」氏は31.6%で第二位となった。
日本の社会・政治のあり方を問う設問では、「資本主義」が49.0%と初めてトップとなったが(昨年は45.3%)、「軍国主義」も48.2%(昨年は46.4%)と依然多く、昨年よりもわずかだが増加している。
この設問では相手国民に対する印象を10テーマから質問している。
まず「親切か傲慢か」という問いについては、日本人は中国人を「どちらとも言えない」と決めかねているのに対して、中国人は日本人を非常に「思いやりがない、傲慢」またはやや「思いやりがない、傲慢」と感じている人の割合が4割を超えている。
「勤勉か怠慢か」という問いについては、中国人の79.1%が日本人を「非常に勤勉」または「やや勤勉」と考えている。
中国人を「好戦的」と考える日本人は「非常に好戦的」と「やや好戦的」を合わせて34.1%にとどまる一方で、日本人を同じく「好戦的」と考える中国人は61.8%に達している。
また、日本人を「頑固」と考える中国人も「非常に頑固」と「やや頑固」を合わせて63.2%に達し、昨年の31.1%から大幅に増加した。
また中国人を「信用できない」と回答した日本人は50.6%と半数を超え、日本人を同じく「信用できない」と回答した中国人の割合(45.5%)を上回った。
中国人の66.6%が日本人を「創造的」と回答する一方で、中国人を「創造的」と考える日本人は10.3%にとどまっている。
日本人で中国人を「協調的」と考える人は9.2%に過ぎないが、中国人の29.0%は日本人を「協調的」と回答している。また、日本人の42.5%が中国人を「利己主義」と回答し、中国人でも51.2%が日本人を「利己主義」と答えている。
現在の日中関係に関する認識は、両国ともに改善傾向は見られる。
日本では、現在の日中関係を「悪い」と回答する人は、「非常に」と「どちらかといえば悪い」を合わせて36.9%となり、昨年の46.1%から10ポイント近く減少しており、「良い」と判断する人はわずかだが増加している。
ただ、日本では最も多いのは「どちらとも言えない」の48.1%(昨年は40.6%)であり、半数近くは、日中関係の現状について明確な判断ができていない。
これに対して中国では、「良い」と回答した人は「非常に良い」と「どちらかといえば良い」を合わせて71.0% となり、「悪い」という回答は20.5%にとどまった。
ただ、中国側の設問では「どちらともいえない」という選択肢を今回削除したために、昨年と単純な比較はできない。
今後の日中関係については、中国人で「良くなっていく」「どちらかといえば良くなっていく」と回答した人が合わせて51.2%と半数を超え、「悪くなっていく」「どちらかといえば悪くなっていく」は4.6%にすぎない。
日本人で最も多いのは「変わらない」の39.3%だが、「良くなっていく」「どちらかといえば良くなっていく」と見ているのは合わせて31.1%で、「悪くなっていく」「どちらかといえば悪くなっていく」は合わせて13.0%だった。
「両国関係の発展を阻害する問題」については、日本では「中国産品の安全性」が46.2%と最も多いが、中国では「領土問題」(尖閣諸島(魚釣島))が49.2%で最多となった。
また、両国民ともに8割以上が日本と中国の「両国関係は重要」と回答している。
ただし、両国関係と米国との関係のどちらが重要かという設問では、「どちらも同程度に重要である」が半数を超えているものの、両国民ともに日中関係よりも日米、あるいは中米関係を重視する人が日中関係を重視する人よりも多い。
また、「自国の将来を考えた場合、世界のどの国や地域の動向に関心があるか」という設問に対して、日本では「米国」が72.8%(昨年は66.0%)で最も多く、次いで「中国」の60.5%だったが、中国では「米国」が78.7%で、二位の「日本」は42.9%にとどまっている。
日本人の76.1%(昨年は82.7%)が「中国には報道や言論の自由がない」、あるいは「報道は実質的に規制されている」と答えており、中国のメディア報道が政府などの規制下にあると認識している。
こうした認識は日本の有識者ではさらに強く、97.0%がそう考えている。
中国人も、53.5%(昨年は66.6%)と半数以上が日本に「報道や言論の自由がない」あるいは「実質的に規制されている」と答えている。これに対して、日本には「報道や言論の自由はある」との回答は昨年よりも改善は進んだが、30.3%(昨年は13.2%)と少ない。
また、日本人では日本での報道が「客観的な報道をしている」と認識しているのは31.0%に過ぎず、24.6%が「客観的な報道をしているとは思わない」としているのに対して、中国では「自国の報道は客観的」との回答が72.5%となり、「客観的な報道をしているとは思わない」は17.6%にとどまっている。
日本人の54.9%が中国に「行きたい」と答え、「行きたくない」の44.8%を上回った。中国に行きたくない理由で最も多いのは「安全、衛生上の問題があり安心できないから」の71.7%で、「渡航するうえでの魅力を感じないから」が42.2%で続いた。
中国人では「行きたくない」が52.2%と「行きたい」の44.1%を上回った。その理由としては「お金がかかるから」が50.4%で最多だった。しかし、日本の有識者と中国の学生では、ともに相手国に「行きたい」が8割を超えている。
留学、学術交流、芸術・文化交流といった、両国間の民間レベルでの人的交流の重要性については、日本人の74.8%、中国人の86.2%が「重要」「どちらかといえば重要」と回答している。今後、積極的に交流を進めるべきと考える分野では、日本人で最も多いのは「文化面での民間交流」の36.6%で、「民間企業間での人材交流」の27.4%、「留学生の受け入れ」の26.1%が続いた。中国では、「文化面での民間交流」の48.9%が最も多く、「教員・教育関係者間の交流」と「学者・研究者間の交流」がそれぞれ40.6%と40.3%で続いている。ただ、この設問では日本側は2つまで選択可だったのに対し、中国側では3つまで選択可であり、単純な比較はできない。
近年、日中両国の首脳による相互訪問が増え、政府間交流が盛んに行われるようになっているが、その成果については両国民とも、「回数を重ねているだけで評価できない」が4割以上を占めて最多となっている。首脳会談で議論してほしいテーマとしては、日本は「北朝鮮問題」が最も多く、次いで「食の安全・安心の問題」となっているのに対し、中国では、「歴史問題」「貿易・投資など経済協力関係の強化」が並んでいる。
日本の国連安保理常任理事国入りに関する質問では、日本人の54.5%が「常任理事国になるべき」と答える一方、中国人で「日本は常任理事国になるべき」と答えた人は14.2%に過ぎず、「なる必要はない」が73.8%を占めた。
歴史問題に関しては、日本人は「両国関係が発展しても歴史問題の解決は困難」と34.3%が答えているが、この割合は過去5回でほとんど変化していない。これに対して中国人では「両国関係が発展するにつれて歴史問題は徐々に解決する」との回答が57.5%で最多となった。これも過去5回全ての調査で50%を上回っており、中国人はより楽観的といえる。
解決すべき歴史問題としては、日本人の55.7%が「中国の反日教育や教科書の内容」と答えているのに対し、中国人は72.1%が「南京虐殺に関する認識」と回答している。
日本の首相の靖国神社参拝については、「参拝しても構わない」「私人としての立場なら構わない」と容認する日本人が合わせて71.7%に達する一方、中国人では「公私ともに参拝すべきではない」との回答が61.7%となっている。
昨年夏からの世界的な金融・経済危機に対する、日中両国政府の対応について質問したところ、日本人では「両国ともに不十分な対応であり、さらなる対策が必要」という回答が48.2%で最も多かった。これに対して、中国人は48.6%が「両国ともに十分な対応をしている」と回答し、「中国の対応は十分だが日本の対応は不十分」も24.2%となった。
金融・経済危機後の世界で経済力を強める国・地域については、日本人の46.0%が「中国」と回答し、「米国」と「インド」がそれぞれ26.9%、26.8%で並ぶ結果となった。中国人では、「中国」と自国を挙げた人の割合が83.1%と突出して多く、「米国」は23.0%で二位、日本は15.7%で三位となった。
2050年の中国経済に関しては、日中両国民ともに、「中国は経済成長を続け、米国と並ぶ大国となって影響力を競い合う」という回答が、日本人は40.3%、中国人は52.7%と最も多くなった。しかし、日本人では「中国経済はこのまま順調に成長せず、米国に並ぶのは困難」との回答が25.2%で二位となったのに対し、中国人の28.9%は「中国は米国を抜いて世界最大の経済大国になる」と回答した。
日中間の経済関係について、日本人の47.5%は「日本にとって中国の経済発展はメリットであり、必要である」と回答し、「日本にとって中国の経済発展は脅威である」という回答は33.4%だった。これに対して、中国人の70.7%は「中国にとって日本の経済発展はメリットであり、必要である」と答え、「日本の経済発展は脅威」との回答は25.7%だった。
日本人が軍事的脅威を感じる国・地域として最も多く挙げたのは「北朝鮮」で79.4%(昨年は74.3%)に達した。「中国」は昨年よりは減少したが46.4%(同54.8%)で二位で、続いて「ロシア」の23.6%(同24.5%)と続いている。
一方、中国人の回答で最も多かったのは「米国」の68.1%(昨年は60.4%)で、二位は「日本」の59.4%(同48.1%)とどちらも昨年を上回った。
日本人が中国に軍事的な脅威を感じる理由は、「軍事力増強を続けているから」が64.7%で最も多く、「しばしば日本の領海を侵犯しているから」「核兵器を保有しているから」がそれぞれ47.0%、46.6%で並んでいる。
中国人が日本に軍事的脅威を感じる理由は、「日本には侵略戦争を起こした歴史があり、今も軍国主義の復活を望む人がいるから」が66.0%で最多となり、「日本の軍事力はすでに強大だから」が54.2%で続いている。
資源とエネルギーの確保に関して、54.3%の日本人が「両国の対話によって問題を解決するべき」と回答したが、「中国と対立することがあっても日本は独自の国益の確保を追求すべき」との回答が昨年の19.0%から27.1%に増加した。
これに対して中国では、64.4%が「対話によって問題を解決するべき」と回答しており、昨年の59.9%から若干増加した。ただ、33.7%が「日本と対立することがあっても中国は独自の国益の確保を追求すべき」としている。
地球温暖化問題への対応については、日本人の71.5%が「二酸化炭素の主要排出国になった中国も応分の責任を負い、排出削減に努めるべき」と回答した。これに対して、中国人では58.4%が「日本などの先進国が責任を持って取り組むべき」と回答したが、「中国も応分の責任を負うべき」との回答も4割近く(39.6%)あった。
また、環境対策と経済成長の関係については、日本人の間では「経済成長を阻害しない範囲で環境対策を行うべき」が47.5%、「経済成長を抑制しても環境を保全すべき」が42.6%で意見が分かれたが、中国では55.8%が「経済成長を阻害しない範囲で環境 対策を行うべき」と答えた。「経済成長を抑制しても環境を保全すべき」は38.1%である。
中国人の7割、日本人の9割が中国製の食品に不安を感じない
【中国産食品の安全性への不安】
中国製の食品の安全性については、日本人の94.8%が「不安を感じる」と回答し、中国人でも69.9%が「不安を感じる」と答えており、「不安を感じない」との回答は29.7%にとどまった。
どのような人物が尊敬できるか、との設問を新たに設けたところ、日本人では41.2%が「地位や財力よりも、志をもって社会的な使命に向け努力する人」を選び、次いで29.4%が「社会の中で人々に貢献できる人」を選んだ。これに対して中国では、「国の運営で指導的な立場に立つ人」が26.0%で最多となり、次に「社会の中で人々に貢献できる人」が24.0%と続いた。また「経済活動で成功する人」は日本では1.9%だが、中国人は15.2%が尊敬できると挙げた。
自分の子供や孫に就いてほしい職業としては、日本人の38.0%が「専門的な職業(医師、教師、弁護士など)」と答え、「自分の技能や能力で活躍できる人(スポーツ選手、芸術家など)」が34.3%で二位となった。これに対して中国で最も多かった回答は「専門的な職業」の36.9%で、次いで「官僚(公務員)」が28.2%、「経営者」が24.5%で並んでいる。
政治家は日本では0.5%に過ぎなかったが、中国では17.9%となった。
言論NPOは2001年に設立、2005年6月1日から34番目の認定NPO法人として認定を受けています。(継続中) また言論NPOの活動が「非政治性・非宗教性」を満たすものであることを示すため、米国IRS(内国歳入庁)作成のガイドラインに基づいて作成した「ネガティブチェックリスト」による客観的評価を行なっています。評価結果の詳細はこちらから。