. 言論NPO主催「東京-北京フォーラム」公式サイト - 安斎副実行委員長インタビュー

安斎隆 株式会社セブン銀行代表取締役社長

1963年東北大学法学部卒業。同年日本銀行入行後、94年同行理事に就任。98年日本長期信用銀行(現・新生銀行)頭取、
2000年イトーヨーカ堂顧問などを歴任。01年より株式会社アイワイバンク銀行(現・株式会社セブン銀行)代表取締役に就任。

 日中関係には長い歴史がありますが、これほど近い国同士でありながら、両国民がお互いのことを本当の意味で理解するまでには、まだまだ長い道のりがあると思います。長い歴史の中で政治や経済の問題が複雑に入り組んでしまっていて、何か問題が起こると政治も経済もがたがたと崩れてしまう。この状況は回避しなくてはなりません。政府がリードしたり民間人が観光で相手国を訪れたりということだけでは、お互いのことを理解するのは難しい。その意味で民間対話というパイプは重要です。今後あと6回のフォーラムを開催していくうえで、マスメディアを含めた各界の人々は、この重要性を改めて認識する必要があります。
 日中関係はトップの相互訪問で、かなり良くなりました。経済関係もかつてと比べて改善されましたし、四川大地震への日本の救助隊による災害援助も評価されました。しかし、「表面的には改善されたけれども、実際にはまだまだ良くなっていない」ということが、例えば世論調査の結果からも見えてくるのではないかと私は思います。ただ、相互理解がすぐには進まないという困難を確認するということには大きな意味があります。言論NPOが主催となって東京で開催するフォーラムということで、今年の議論はかなり充実したものになるでしょう。食料、環境、メディアなどテーマ別分科会では、今回は相当具体性を帯びた議論になることが予想されます。今年のフォーラムは、より深い相互理解に向けて、具体的な問題の具体的な解決策を議論していくための土台づくりという、重要な役割を担っていると思います

親カテゴリ: 2008年 第4回
カテゴリ: 発言録