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「第4回 東京‐北京フォーラム」は、北京オリンピックが終わった直後という極めて重要な時期に開催されます。
オリンピックを終えたばかりの中国という国そのものに世界が関心を寄せているタイミングに、中国国内の50名にもおよぶ現役の閣僚を含む政府関係者、学者やメディア関係者などが来日し、「政治」「経済」「食料」「安全保障」など7つの分野に分かれて日本側有識者との真剣な議論に臨みます。
この時期に中国を代表する有識者がこれほど大規模に他国を訪問するという機会は他になく、その意味で本フォーラムは多くの国やメディアから注目を集めているといえるでしょう。
このフォーラムは過去3回にわたり、北京と東京で交互に開催されてきました。ここでは今年の第4回東京―北京フォーラムならではの見どころをご紹介します。
まずは2日目の9月16日午前の全体会議で行われる「政治対話」です。本来、この政治対話は分科会として独立したものでしたが、今回は全体会議と学生を主体とした参加者の中で行われる分科会に分かれて行います。日中平和友好条約30周年というひとつの節目を迎える今年は、両国関係のさらなる発展に向けて、日中の6人の政治家が「アジアの中の日中関係」をテーマに議論し合います。
また、この全体会議の後に行う「ランチフォーラム」も大きな見どころの一つです。これはフォーラム全体の参加者のうち一部の有識者だけを対象に行う記者会見形式の議論の場で、中国の政府関係者に対し、中国の改革開放後の過去と現在、そしてオリンピック後のこれからの政治・経済運営について説明を求めるというものです。第4回大会をきっかけに、この「ランチフォーラム」を、両国の政府関係者が毎年交互に自国の方針を説明するための継続的な舞台にしていきたいと考えています。
16日午後からは「メディア」「環境」「政治」「経済」「食料」「安全保障」「地方」の7つの分科会が同時に行われます。
その中の「メディア対話」では、フォーラム開催に合わせて実施している日中共同世論調査の結果を踏まえて議論を行いますが、今回はインターネット会議方式を採用することにより、会場外の方々にも議論に参加していただけるシステムを導入します。この1年間は、食の安全や五輪を前後する様々な問題に関して両国の報道のあり方が議論を呼びました。また環境や食糧の問題、安全保障など様々なテーマが今年の世論調査で設問に加わっています。この調査結果を踏まえた両国民の相互理解や認識に関して両国の有識者やメディア関係者が議論を行います。
次に、今大会から新設された分科会をご紹介します。今年設けられている7つの分科会のうち「食料対話」「地方対話」のふたつが新設の分科会となります。特に「食料対話」は、日中のみならず世界中の関心を集めている「食の安全」や「食料安全保障」について両国が議論を行う初めての場であり、この分科会を設けること自体、大きな挑戦でもありました。
もうひとつの新設分科会である「地方対話」も注目すべき分科会のひとつです。この分科会には両国の自治体の首長レベルのパネリストが参加します。地方レベルの交流は国の交流をどう補完できるのか、地方の独自の経済交流の課題について、両国の各自治体などの首長同士が意見を交わします。この「地方対話」は今後、常設の分科会として定着させていく方針です。こちらもぜひご注目いただければと思います。
このほか、「経済対話」はまさに中国のこれからの経済運営を軸に議論が行われるほか、「環境対話」「安全保障対話」でも両国の一線の論者がこれらの相手国に対する様々な疑問に関して意見を交換するほか日中協力などについて議論を行います。
そして17日の最終日には、これらの7つの対話を総括して2つのパネルデスカッションが行われます。
今年の各分科会では、これまで以上に具体的で、日中両国の現状に即した議論を行うことを目指しています。この舞台を単なる「友好」やうわべだけの対話ではなく、両国の課題解決に向けて本音で語り合える議論の場にしていくという本フォーラムのミッションに則り、より本気で実りある議論を行っていきます。ご期待ください。
言論NPOは2001年に設立、2005年6月1日から34番目の認定NPO法人として認定を受けています。(継続中) また言論NPOの活動が「非政治性・非宗教性」を満たすものであることを示すため、米国IRS(内国歳入庁)作成のガイドラインに基づいて作成した「ネガティブチェックリスト」による客観的評価を行なっています。評価結果の詳細はこちらから。