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 【発言録】 1日目 全体会議 page 2

 

国分氏(司会)  ここから各政府を代表して、政府の挨拶を行います。仙石氏は東京‐北京フォーラムに古くから参加をなされてきた友人でもあります。それでは、仙石内閣官房長官、宜しくお願い致します。

発言録 1日目 全体会議 2
日本側政府挨拶
仙石由人氏(内閣官房長官)

 

 皆さん、おはようございます。仙石由人でございます。東京‐北京フォーラムは本日で第6回を迎えましたが、会場を見回してみると、これだけアジアや日中の未来に建設的な討議をしようという人が増えたということに感慨を受けました。

 このような現状に心からお喜びを申し上げ、特に、開催の主催者などに敬意を表します。そしてフォーラムが成功することを期待しています。

 日中関係は日本にとって最も重要な二国間関係の一つです。特に、経済面では最も貿易量が多く、内容の面でも進化が深まっています。また、経済、環境など幅広い分野で対話が進み、戦略的互恵関係を強化するべく民間を含めて様々な協力が行われています。その中の安定的な礎の一つとしてこの東京‐北京フォーラムが機能していると考えています。この東京‐北京フォーラムはまさに、近年の日中関係を象徴していると考えています。

 日中両国は地域の発展について責任を持っています。今後とも互恵的な協力関係を強化して地域に貢献することが重要であると考えています。日中両国は特に中長期的な関係を構築してゆくことが求められています。このような観点から日中両国は二国間のみならず地域、グローバルについて対話をしてゆくことがこれからも必要だという認識です。今回の東京‐北京フォーラムのテーマである、「アジアの未来と日中の貢献」の観点から日中関係を検討することは日中両国、地域、さらに世界の発展・平和に繋がると思います。

 最近の日中関係は、昨年の政権交代後も様々な政府間対話を政府間で行ってきました。2010年になりましても「戦略的互恵関係の構築」という戦略の下にハイレベルな会合がもたれてきました。温家宝首相の訪問や先日の岡田外相の訪中など、活発な議論の場がもたれています。この中で、食品安全問題、東シナ海問題、防衛協力など様々な点で日中両国の関係を進展させ、そして着実な成果を出してきたと考えています。

 さらに、私は環境、防災、感染症などでも日中両国で共同プロジェクトに着手する時期に来ているのではないかと考えています。これらの協力を進めてゆくことは将来的には東アジア共同体の基礎となっていくと考えております。日中両国は共に成長力が潜在的に存在する場所であります。日米同盟を基礎に、東アジア共同体を構築していくための様々な取組を現在進めています。

 また、世界的な金融危機の影響の中でも、中国は発展を続けています。このような現状の下、日中両国は国際金融政策における協力や環境問題などで世界経済に対して重要な責任を負っています。これらは我々の世代に対してだけではなく、将来世代に対しても有効な政策を行う必要があります。そのためには、中長期的な日中関係が必要です。特に、相互理解について考えることが必要だと思います。現在、4000名もの青少年交流を進めていますが、これを6000名に増やし、将来の世代の相互交流の発展を図る予定であります。しかしまだこういった政策を推進しても両国の国民の中には相互不信のようなものがあります。先日行われました言論NPOとチャイナ・デイリーの共同世論調査によると、相互の国民がお互いに不信感を抱いているということがわかります。これからは、国民レベルでの更なる信頼を深めることが必要なのではないかと思い、その一助としてこのフォーラムで活発な議論が行われることが期待されます。

 最後に、このフォーラムを通じて相互信頼・相互理解を深めることを期待して私の挨拶を終わらせて頂きます。

 

親カテゴリ: 2010年 第6回
カテゴリ: 発言録